第60話 戻ってみると・・・
チカとサチは自由時間ギリギリまで俺の部屋に滞在したあと、自分の部屋に帰っていく・・・
「なに、この騒ぎ・・・」
チカが帰ると多くの男子が廊下に正座させられている。
「あっ、チカとサチ何処に行ってたのよ。」
ユカリが二人の姿を見つけて、近寄ってくる。
「ユカリ何があったの?」
「聞いてよ、男子達女湯覗こうとしてたんだよ!」
「うそっ!最低!」
思わず出たチカの言葉に男子達はさらに項垂れる。
三人は男子達を置いて部屋に帰るのだが・・・
「あれっ?そういえば二人ともお風呂にいなかったよね?
今日入らないの?」
「あはは、大丈夫よ。」
「ちょっと、お風呂ぐらい入らないと・・・
って、いい匂いするわね?」
「そうかな?」
「それにサチも髪が少し濡れてる、二人ともお風呂に入った?」
「そ、そうかも・・・」
チカとサチはユカリの追求にサッと目を逸らす。
「隠し事があるのね、キリキリ言いなさい!」
「けっしてジャグジーを味わった訳では無い。」
ユカリの追求にサチが漏らす。
「ジャグジー?お風呂にあったかな?」
「合った、気持ちよかった。」
「でも二人ともいなかったよね?」
「お風呂にはいた、チカと一緒に入ったから間違い無い。」
「そうよ、サチと一緒に入ってたの。」
「ふーん、何か怪しいわね・・・
サチ他に何か合った?」
「ユズキ様にお会い出来る。」
「ユズキ様?それってサチの憧れてる松井ユズキ?」
「そう、職場を見学させてもらえる。」
「ちょっと、なんでお風呂に入った話から、そんな話になるのよ!」
「あはは・・・」
うっとりして嬉しそうにするサチとは違いチカからは乾いた笑いが出る。
「二人とも話を聞くわよ。」
ユカリは二人から詳しく話を聞き出す・・・
「ちょっと!スイートルームのジャグジーに入るなんてズルいわよ!」
「しー!しー!みんなに聞こえるから!」
チカはユカリの口を押さえる。
「自分達だけズルいでしょ。
アメニティだって違う物でしょ?」
「それは家から持ってきてるから・・・」
チカはボソリと言う。
「あれ?旅行の荷物に持って行くの禁止になってたよね?
持ち物検査もあったよね?」
「・・・あれ、おかしいなアメニティが同じ銘柄だったのかな?」
「隠せてないよチカ、ユウヤさんに持ってきてもらったの?」
「私の髪クセがあって合わない物だとゴワゴワしちゃうの。」
「みんな同じよ!私だって持ってきたかったのに!
それに何人かはお小遣いで買って使っていたのよ!」
「あー、その手があったのか!」
「でもね、それをするとお小遣いが無くなるの、分かるこの苦しみ!」
「あはは・・・」
こっそりとルールを破るチカには笑う事しか出来ない。
「それによ、松井ユズキに会えるなんてズルいじゃない!」
「まだ会ってないよ、職場体験をやらしてくれるってだけで・・・」
「それもズルいわ!私だって行きたいのに!」
「じゃあ頼んでみる?」
「えっ、いいの?」
「頼むだけならゆうちゃんにお願いしてみるよ。」
「チカのお願いなら確実ね!お願い、私も松井ユズキに会ってみたい!」
「わかったゆうちゃんに伝えておく。」
思わぬ所で会えることになったユカリはお風呂の事は忘れて上機嫌になるのであった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます