第6話 広島に・・・
「チカちゃん、今日の予定聞いてる?」
「うん、昼ぐらいに一度ホテルに入って、身支度を整えてから迎えを呼んで本家に挨拶、夜に会食って聞いてるよ。私とゆうちゃんは家族の会食の方に参加だって。」
「俺、何も聞いてなかったんだが・・・」
「私が教えておいてってお父さん言ってたよ。あとゆうちゃんのスーツは用意してあるからね。」
「えっ?一応持ってきているよ。」
「普通のスーツだよね?」
「モチロン。」
「それじゃダメだよ。身だしなみで判断する人もいるからちゃんとしたものを着ないと。」
「そんなものなの?」
「そんなものなんです。だからみんな新しいスーツ用意してますよ。」
「俺、何も聞かされてない。」
「大丈夫、ちゃんと特注で作りましたから、何処に行っても恥ずかしくないですよ。」
「ありがと・・・あれ?寸法は?」
「寝てる時にちょっと・・・」
「チ~カ~」
「ゴメンなさい。」
「まあ、いいけど恥ずかしいから次からはやめてね、せめて起きてるときに。」
「ううん、何も恥ずかしくなかったよ、いい匂いもしたし・・・」
「臭い!俺そんなに臭う!?」
俺は臭いを嗅ぐが自分ではわからない。
「後で香水ふっておくかぁ・・・」
「いい匂いなのに・・・」
「こら、運転中に顔を擦り寄せてきちゃダメ。」
「うーもどかしい。サービスエリアに寄ったら嗅いでいい?」
「よくありません!恥ずかしいからあまり臭わないで。チカも匂いを嗅がれたら嫌でしょ?」
「ゆうちゃんに匂いを嗅がれるの?別にいいよ?」
「なんで!もっと恥ずかしがってよ!」
「だって、ゆうちゃんに隠すことなんてないし、何かあっても責任とってもらうし。うん♪問題ないよ。」
「・・・俺が変なのかな?俺の中の常識が壊れそう。まあ、いいやサービスあるから少しよるね~」
俺は来島海峡サービスエリアに寄った。
「ねぇねぇ、ゆうちゃん、橋が見えるよー早くこっちだよ~」
チカに手をひかれて橋が見えるところに・・・
「ゆうちゃん、良い景色だね。」
チカは甘えるように俺にもたれ掛かかってくる。
俺は頭を撫でながら、
「良い景色だけど、そういう雰囲気だすのはまだ早いよ。」
「もう、雰囲気が台無しだよ!ここはキスの1つぐらいしてくれてもいいと思います!」
「十年早い、それに朝からそんなに雰囲気だしてもねぇ~」
「なら、夜ならいいの?」
「よくありません!そういった事は好きな人が出来てからしなさい。」
「・・・だから、してるのに。」
「ん?なに?」
「何でもないですよーさあ、おみやげ見て出発しましょー」
「まだ、地元なのに土産見るの?」
「地元だけど見たこと無いもの多いじゃない?一緒に見て回ろ。」
俺とチカは土産物を物色したあと、広島に向かって出発した。
道中、橋を渡る度チカのテンションがあがったり、サービスがあれば寄ったりと時間はかかったが昼前にはホテルに着くことが出来た。
「お父さん着いてるかな?」
俺はチカの代わりに電話をしてみる。
「おやっさん、俺達ホテルに着きましたがおやっさん達は?」
「あーもう着いて着替えてるところだ、お前達もチェックインして早く着替えろよ、準備が出来たらまた連絡くれ。」
「チカちゃん、おやっさん着いてるみたい、ふ俺達も チェックインするよ。」
「はーい」
俺達はフロントに行くと、
「お二人で予約のユウヤさまとチカさまですね。お部屋にご案内致します。」
「ちょっと、もしかして同じ部屋?」
「はい、そう予約なされてますが?」
「別の部屋ないかな?」
「申し訳ありません、本日予約で満室となっておりまして。」
「そんな~まずいだろ、」
「ゆうちゃんどうしたの?」
「いや、どうやら同じ部屋になってるみたいで・・・」
「うん、いいんじゃない?」
「いやいや、マズイって、年頃の女の子と同室なんて何か合ったらどうするの?」
「責任とる?」
「・・・」
無言でチカから離れ、おやっさんに部屋に突撃した。
「ユウヤ、早くも準備出来たのか?」
「それどころじゃないよ!なんでチカちゃんと同じ部屋なの!」
「部屋が満室でなぁ~」
「普通、親のアンタと同室だろ!」
「娘も年頃だからな、父親と同じ部屋なんていやがるだろ?」
「だからって、他の男と同じ部屋のほうがおかしいだろ!」
「そうか?」
「じゃあ俺はシン達の部屋に行くから!」
「やだ♪」
「シン何を言ってる?」
「だって~男と同室なんて嫌だろ?女連れ込めないじゃん♪」
「連れ込むなよ!」
「それに恨まれたくないしね。」
「誰が恨むんだよ!なぁ頼むよ。」
「ダメ!それより早く準備しないと間に合わなくなるぞ、さすがに遅れるのはマズイって!」
「くっ!」
「さあ、チカちゃんの部屋にお行き♪」
「てめぇら楽しそうだな!」
「友の幸せが我等の幸せ。」
「おまえら・・・」
「ゆうちゃん彼女もいないんだから、問題ないだろ?」
「そうだぞ、ユウヤ。据え膳食わぬは男の恥、食べてしまえ!」
「・・・シンはまだいい、おやっさん!アンタは娘の貞操を何だと思ってるんだ!」
「ユウヤが破るもの?」
「だめだ、このおっさん最低だ・・・」
「そんなことより、ホントに時間が無くなってるから、早く準備してこい!」
「くっ!後でもう一回問うからな!くそっ!」
俺は取りあえずチカと同じ部屋で準備することに。
「行ったな。」
「なんでユウヤは頭が固いかな?」
「そうですよね、食べてほしくてアピールしてるのに。」
「それでだ、今晩ヤるか賭けるとするか。」
「俺は期待も込みでヤるに、うーん、五万!」
「俺もヤるに十万、娘の魅力を信じる!」
「おやっさん、甘いですよ。ユウヤは固いですからヤらないに五万!」
「カズマ、読みが甘い、おさわりまでに五万だ!」
「銀次、刻むか!やるな。」
みんなの賭けの対象になってるユウヤだった。
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