第5話 広島行き

「ユウヤ、悪いが広島の本家に行くぞ。」

「はい、行ってらっしゃい、お気をつけて。」

「違う、お前も行くんだよ!」

「なんで?」

「そろそろ顔を出させろとうるさくてな。」

「えっ、じゃあついに盃をもらえる!」

「それはだめ!」

「なんでだよ!本家に顔を出すんだから組員じゃなきゃダメだろ!」

「そこは跡取りということで紹介するから。」

「跡取り?」

「チカの婿。」

「だから、チカちゃんに迷惑かかる選択肢を選ぶな!盃をくれたら済む話だろ!」

「チッチッチッ!甘いよ明智くん、そんな簡単な答えを俺は既望していないんだよ。」

「誰が明智くんだ!簡単な答えを選べ!」

「やなこったー!出発は明日で一泊するからな~」

おやっさんは言うだけ言って逃げだした。

「こら!逃げるな、せめて詳しい説明しろ!」

しかし、戻ってくることもなかった。


翌日、

「じゃあ出発だぁ!」

ノリノリのおやっさんに連れられ、俺、シン、カズマ、銀次、チカの計6人で向かう事となった。

「おやっさん、なんでチカちゃんがいるんですか?」

「向こうで子供達の集まりがあるんだよ、それにチカがいたほうが都合の良いこともあってな。」

「ゆうちゃん、一緒はいや?」

「いや、全然構わないけど。」

「よかった、じゃあ、隣の席だね♪」

「そういえば、どの車で行くんですか?」

「今回はアルファードを使う、ただ、荷物もあるから、ユウヤには悪いが自分の車で行ってもらえるか?」

「車を出すのはいいけど、じゃあ席配置は・・・」

「私と二人じゃいや?」

「嫌じゃないけど、俺とチカちゃんで行くの?」

「おう、気を付けてな、場所はナビに入れておくから、遅れず来いよ。」

「はーい、」

ユウヤとチカは出発していった。


「おやっさん達、上手くいきましたね。」

「そうだろ、カズマ、適当な理由でドライブデートだ。」

「宿も既に手配済みですぜ。」

「シンもわるよのぅ~」

「おやっさんには負けますわい。」

「くくく、上手くいけば跡継ぎゲットだぜ!」

「おやっさん、ユウヤで組が纏まりますか?少々暴力面が足りてないですが。」

「銀次、それは大丈夫だ、シンの奴が支えるからな。」

「おうよ!」

「シンもいいのか?ユウヤがいなければお前が後継者だろ?」

「ユウヤは親友だからな、下で働くのもいいだろ。」

「さあ、俺達も行こうか、遅れるとめんどくさくなるからな。」

こうして広島に向かった。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る