第3話 罰ゲーム

「ユウヤひま!」

シンが昼飯の後そんな事を言い出した。

「あん!てめぇこっちは忙しいんだよ!暇なら筋トレでもしとけよ!」

「ポーカーしよ!」

「話聞けよ!」

「メンバー集めてくる!」

「おい!」


シンがメンバーを集めてきた。

メンバーはシン、カズマ、シュン、マナブ、タクミだった。

「さあ、やろ!」

無邪気なシンにカズマが確認する。

「・・・でなに賭ける?レートは?」

「金じゃ面白くない、罰ゲームを賭けよう♪」

「罰ゲームってなにやる?」

「みんなで『誰に』と『何をするか』の二つを書いてもらいそれを引いたら実行でどう?」

「つまり『倉田』をひいて『殴れ』をひくと倉田を殴れになるのか?」

「そうだね、それをポーカーの目が低い奴が行うでどう?」

「やばいなぁ~」

「それ無理でしょ?」

マナブとタクミは嫌そうな顔をしながら否定していたが・・・

「うるさい!これは命令だやるぞ!」

シンの横暴により開催が決定した。


「なぁ、なんで俺も参加なんだ?」

「こんなのみんなでやったほうが楽しいからだよ。」

「いいか無理を書けよ!」

「無茶言うな!いいか出来る事にする事!」

「ぶーーー!」

「やかましい!」

そして、死のポーカーが始まる、

「ワンペアのマナブの負けだな、引け」

「うう、しかたない、『銀次』と『ケツをさわる』はあ!誰だよこんなのいれた奴!」

「さあヤってこい!」

「シンさん、なんか違う!」

「いいから行け!」

俺達は銀次さんを庭で見つける。

「マナブちゃんと愛を囁きながら触るんだぞ!」

「ちょ!増えてる!条件増えてるよ!」

「誤差だ、ヤってこい!」

「うう・・・」

マナブは銀次の後ろに立つ、

「どうした?」

「銀次さん、いいケツしてまんなぁ~」

マナブは銀次のケツを触る。

「!!!」

銀次はあわてて距離をとる!

「マナブ、てめえ近づくな!俺にそんな趣味はねぇ!」

「プッわはは、マジでやったよ。」

「シン、ユウヤ!お前らの仕業か!」

「いや、罰ゲーム。」

「人を巻き込むな!」

「やべ、逃げよう。」

俺達は逃げ、居間に戻る。


「さあ、次をやりましょう!」

「マナブ、目が座ってる・・・」

「シュン、お前もやればわかるよ。」

「じゃあ、罰ゲームを追加してやろう。」

「シン、何を言ってる、やめよう。」

「ゆうちゃん、一回なんて楽しくないだろ?」

「ユウヤさん、俺だけなんて納得いきません!」

「はぁ仕方ない、やるか・・・」


「ブタだ・・・」

今回はタクミが罰ゲームになった。

マナブが笑顔で罰ゲームの入った箱を持ってくる。

「さあ引け♪」

「マナブ楽しそうだな。」

「人の不幸は蜜の味がするねぇ~」

「えーと、『チカ』に『胸を触る』えっ!ムリムリ、出来るわけない!」

「おいおい、引いたんだからやれや。」

「できないって!」

そこにおやっさんが通りかかる、

「話は聞こえたが、賭けに負けた以上支払いはちゃんとやれ!俺達は元は博徒だ、支払いを逃げる気なら覚悟しておけ!」

「・・・」

逃げ道がなくなった。

しかし、この人は娘の胸が揉まれる話を聞いていたのだろうか?

俺達はチカを台所で見つける。

シンが威圧込みで命令をくだす。

「行け!」

「・・・はい」

タクミは渋々行った。

どうやら後ろから触って逃げる作戦のようだ。

触ろうとした瞬間、チカが振り返る。

「あれ?タクミくんどうしたの?何かいるの?」

「あ、い、いや、その!」

「?どうしたの?」

「え、えい!」

タクミは覚悟を決めて胸を触ろうとするがチカの動きは早くタクミをひっぱたいた!

「タクミくん!なにするの!もう最低!」

チカは怒って出ていった。

「うう・・・」

「お前は頑張ったよ、さあこんなゲーム終わりにしよう。」

「ま、まだです!シンさんもユウヤさんも罰受けてないじゃないですか!」

「いや、罰が重すぎるだろ?せめて書き直そう。」

「そんな甘いことでどうするんですか!」

タクミはチカにひっぱたかれてヤケになっていた。

「よく言った!さあ次をやるぞ!」

「シン!何を言ってる。そろそろ怒られるぞ!」

抵抗する俺を連れ、居間にて死のポーカーが行われる。


「・・・もうやめよう、こんな事はナンセンスだよ。」

「タクミ、ゆうちゃんの手札をとれ!」

「はい!」

開かれた手はブタだった。

「ゆうちゃん、見苦しいなぁ!」

「くっ!ころせ!」

「さあ、罰を受けろ!」

シンは箱を持ってくる。

仕方なく引く・・・

「えーと、『チカ』に『キスをする』・・・誰だよこんなのいれた奴!今、チカはヤバイって!絶対機嫌悪いよ!」

「だ~め~引いた以上やること。」

「マジ?いやホントにダメだろ?」

「まあまあ、ゴー」


台所から出ていったチカを探している中、

「なあ、見つからないからやめにしない?」

俺は懇願する目でシンをみる。

「そんな目で見てもダメ行け!ちゃんと甘い言葉を囁くんだぞ!」

「ハードルあげるな!」

そして、部屋を訪ねるが、

チカは部屋にもいなかった。

「シン、チカちゃんはいないみたいだから、中止にしよう。」

「往生際が悪い!」

「シンさん!見つけました。組長室にいます!」

マナブが探しだしてきた。

「マ・ナ・ブ・ク・ン、よく仕事が出来る子だな!後で覚えておけよ!」

「お褒めにあずかり光栄です。ユウヤさん、一人逃げるのは許しませんよぉ~」

嫌がる俺は組長室に連れて行かれた。


「シン、あかんって!おやっさん、おるやん!こんなのダメやろ、な?明日にせーへん?」

「ヘタな関西弁で誤魔化すな!逝ってこい」

「字が違わないか?」

「人生の墓場に向かうのだから合ってるだろ?」

「それアカンやつやん!」

「やかましい!さっさと逝け!」

俺は中に入る、そして覚悟を決めチカに近づく。

「聞いてよゆうちゃん、さっきタクミくんがね、私の・・・」

話しかけてくる、チカの腰をグイッと引き寄せ。

「ゆ、ゆうちゃん?」

「チカ、今日も可愛いね。」

「えっ、え、うん、ありがとう。」

「食べちゃいたいぐらいだ・・・」

「そ、それって・・・ゆ、ゆうちゃんお部屋にいこ?ここじゃね・・・」

俺はチカのアゴをクイッとあげる、クチを近付ける。

「俺だけを見て。」

「は、はい♡」

俺を見つめてくる。

チュッ♡

俺はチカのクチを避け頬にキスをする。

チカは頬を押さえポーっとしてる。


おやっさんが怒りながら。

「ユウヤ!そこまでしてなぜクチにしない!もう一度だ!リテイクを要求する!」

タクミは混乱しながら文句を言い出す!

「ななな、なんで叩かれないですか!」

シンは笑いながら、

「卑怯だぞ!キスならクチだろ!」

「ホッペもキスでーす、場所の指定はないし♪」

「ゆうちゃん、今のは・・・」

「あっ・・・ゴメン、チカちゃんシンにやらされて。」

「ば、ばか!言い方があるだろ!」

「シンくんのバカ!」

「俺!?」

「ゆうちゃん、こっち向いて。」

「はい。」

俺は叩かれる覚悟をした。

「目をつむって。」

俺は言われるままにした。

すると、チカは首筋にキスをしたかと思うと吸い付き、キスマークをつけた。

「なっ!」

目立つところにキスマークが出来ていた。

「これで許してあげる。乙女の心をもてあそんだ罰だよ!」

「チカちゃん、これは恥ずかしいよ!聞かれたら何て答えるのさ!」

「私につけられたって言うこと!いいそれも含めて罰だからね!」


怒っているはずなのに何故か嬉しそうに部屋から出ていった。


「くくく、今日はみんなを集めて飯を食うぞ、非番の奴等も呼べ!」

「おやっさん!アカンって、チカちゃんの名誉の為にも今日は俺は姿を消すよ。」

「ダメに決まってるだろ、罰なんだから受け入れろよ。あと席はチカの隣に座らせるからな。」

「・・・チカちゃんも恥ずかしいと思いますが?」

「自分でしたんだから仕方ないだろ、まさか父親の前でキスマークをつけるなんて思わなかったぞ。」

「俺もです。」

「お前も俺の前で普通キスするか?しかも腰に手を回して、見てるこっちが恥ずかしかったわ!」

「いや、やれってシンが・・・」

「いや、そこまで言ってないぞ?ただ甘い言葉を囁くだけだったんだが?」

「えっ?やりすぎた?」

「うん♪まあ楽しめたからヨシだ!」

シンは親指を立ててぐっとした!

「チカちゃん、ゴメン!」

俺は謝りにチカの部屋に向かった。

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