第2話 金子組

金子組は田舎の町にあるが、江戸時代から続く由緒ある極道だ。


だか、先代までは時代の流れもあり大手極道の傘下に入り縮小していった・・・


しかし、現組長、金子平八郎が就任してからは流れが変わった。親友の倉田を筆頭に武闘派で名を売り、その後シン、ユウヤの世代が加入後は株や投資で圧倒的資金を得た事により、極道稼業をほぼ停止、少なくとも資金面は綺麗な企業になっていた。

現在、商店街、飲み屋街にシマを持つがミカジメ料をとらず、昔からの付き合いだからと揉め事があればクビを挟み、争いを納めることで地域からの評判はよかった。


現在、組員は約50名、その内株、投資などをユウヤが指揮を行い指揮下に五名おり、資金調達はこの五名で行われていた。

その他のほとんどの組員は1日を厳しい訓練に使っており、他の組からは異常な集団にうつっていた・・・


金子組の強さは福利厚生にもある、

屋敷の裏にマンションを建て、組員の無料宿舎として使用、組員全員が給料体制をとっていた。申請すれば休暇も取れる極道のクセにホワイト企業だ。

食事は屋敷に行けば、姐さん手作りの食事が待っており、料理上手な姐さんの力により、そこらの料亭より美味しいものが食べれる。

そして、上役の気分次第で小遣いの支給、無料飲み会が行われ、生活するだけなら給料がいらない状況だった。

その為、多くの組員が辞めること無く、厳しい訓練を乗り越え、軍隊顔負けの戦闘力を持っていた。


組の構成は

組長 金子ヘイハチロウ

舎弟筆頭 倉田リョウマ

若頭 前田ノブオ

若手筆頭 真田シン

組長補佐 伊藤ユウヤ(客分)

会計 村井キスケ

という幹部達がいた。


組の決まりは簡単、

1.上に従え、黒いものを白と言ったら白である!

2.体罰当たり前、ありがたく受けるように。

3.意味なく堅気に手を出すな!

4.仲間がやられたら必ず報復しろ.

5.漢として道を極めろ!


そんな金子組のとある組員の1日。

「おい、今日の訓練なにやる?」

「剣術やるって、銀次さんが燃えてたぞ。」

「まじかぁ~あの人剣が絡むと向きになるからなぁ~」

「まあまあ、倉田の兄貴じゃないだけマシだよ。」

「あの人は人の限界はいくらでも越えれるとか言ってるからなぁ」

「人間やめてる人だから仕方ないよ・・・」

朝から剣術漬けの日々だった。

夕方、

「おい、聞いたか、シンさんが看護婦捕まえて合コンするらしいぞ!」

「マジか!今からシンさんの近くにいれば連れて行ってもらえるかも!」

その結果、シンはムサイ男に囲まれていた。

開かれた合コンは若い看護婦の中でも綺麗処を集めており参加出来たものは幸運だった。

しかも、金子組の名は地域ではステータスとなるため、受けがよく、お持ち帰りした奴等もいた。

そして、会計は・・・

「ゆうちゃん出して♪」

「シン、俺を合コンに呼ばず支払いだけに呼ぶとはどういうことだ!たまには俺も連れてけよ!」

「まあまあ、男同士で飲む時は一緒に行こうや!」

「女がいるところも呼べよ!」

「それはねぇ~いろいろ不味い事情もあるんだよ。」

「なんだそれ?」

文句を言いつつもユウヤさんが支払いを済ませた。


「おい、そこの若いの!」

店を出た後、ユウヤさんに呼ばれて足を止める。

「お前らこの後どうするんだ?シンのヤツは持ち帰りして姿を消したが。」

「はい、盛り上がった何人かで二次会にいく予定です。」

「そうか、ならこれを持って行け。」

ユウヤさんは財布に入れていた十万を渡してくる、

「いいか、金子組がケチ臭いなんて言われるなよ。じゃあ俺は帰るから。」

「あ、ありがとございます。お疲れ様です!」

「おう!」

ユウヤさんを見送り、俺達は朝まで騒いだ。


翌朝、

「頭いてぇ~飲みすぎた。」

だが、今日は休みの日のんびり過ごせばいあだけだ。

俺は屋敷に昼飯を食べに行った。

「おっ、いいところにいた、ちょっと付き合え!」

俺は倉田さんに捕まりミッチリ組手をさせられた。

「こ、これさえなければ最高なんだが・・・ガクッ!」

俺は意識を失い、今日の休みは終わるのであった。

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