ヒーローになるためには2
僕の名前は青井彼方。ヒーロー志望であり、今日は面接を受けに全知全能の本部へと足を運ぶ。
自宅からバスで移動した僕は、全知全能の建物の規模を見て驚いた。
何故なら建物の全体像が、全く見えないからだ。
全知全能のパンフレットを読むと、敷地面積が約0.18平方キロメートル m²あるそうで、建築の完成に数十年かかったそうだ。
建物を上空から見た場合は星形であり、ヴォーバン様式と呼ばれる建築方式だとか。火砲にとても強く、まさに要塞である。
更に全知全能の壁や床は近代に発見された希少なNナイト鉱石でできており、とてつもなく頑丈である。
その耐久性は、弾道ミサイルを受けても耐えられる設計だとか。
僕は入り口のガードマンに受験票と登録してある指紋のチェックをしてもらい、建物の敷地内に入る。
そして驚くことに僕が乗って来たバスは、見渡す限り受験生達で満員だったのだが、建物の敷地内には、それ以上の受験生で埋め尽くされていた。
周りの受験生を見ると、みんな個性的な格好をしている。僕だけスーツで、正直かなり浮いている。
面接の会場へと向かおうと歩を進めると、後ろ方から女の子が、大きな声で誰かを呼んでいた。
僕は気になって振り返った。
「君ー、君だよ。スーツを着ている男の子」
「僕ですか?」
「そうだよ君だよ」
どうやらこの少女は、僕を呼び止めていたようだ。しかし、誰?
見覚えはないが、銀髪のとても顔立ちが整っている少女で、一見お嬢様のような雰囲気もある。
だが、何故ゴスロリファッションなんだ?黒や白を基調としていて…うん、凄く目立ってる。
そして初対面であるにも関わらず、この場で浮いている僕に話しかける行動力。グイグイくるタイプの女の子何だと思った。
「えっと?初対面ですよね?」
「うん、初対面だよ。ごめんね。突然話しかけちゃって」
「いえ、それは構わないのですが。どうして僕なんですか?」
「それはね」
少女は周りをチラチラ見ると、難しい顔をする。
「だって私達は、他の候補生の中でも浮いてるでしょ?」
「浮いてますね…」
「だから浮いてる者同士、仲良くできるかなーと思って声をかけちゃった」
「でも、それだともっと浮いてしまうと思いますよ。スーツにゴスロリ服って」
クスっと少女は笑った。
「でも私は、中和するかと思ったけどね。異色コンビって何か憧れるじゃない」
「わかります。異色ヒーローってカッコいいですよね」
「うんうん、わかってくれるか同士よ」
少女はにっこりと微笑んだ。
「まずは自己紹介をしよう。私の名前は
古日根は、彼方の言葉を待った。
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