第3話…頭痛よろしくねっ
「ゔ〜…頭痛い…」
日奈子は激しい頭痛で目覚めた
「起きた?さっきコンビニでスポーツドリンク買っておいたから飲んで」
「ごめん、ありがとう…」
ドリンクホルダーのスポーツドリンクを一口飲んだ
「え?何で車に乗ってるの?え?何処行くの?」
車は高速道路を走っていた
「ハニーが行ったんだよ『私を実家に連れてって』って…」
「あー…なんか酔潰れる前にそんな事言ったかも…」
頭痛が激しさを増した
「この車は?」
「安心と信頼の『わ』ナンバー」
「レンタカーね…てかさ…私が自分から酔潰れた訳だしどうとでも出来たでしょ…」
「だからこうしてドライブしてるのさ」
「昨日人助けだと思ってヤラせてとか言ってた人とは思えないわ…」
「俺にだってプライド位あるし、酔潰れた女性に乱暴するなんて下衆な事しないし!」
「自殺しようとしてる女性に一回ヤラせてとか言ってた人にプライドとか言われたくないわ…」
トドのつまりこの人は多分予想より良い人なんだろう、バカなだけで悪い人ではない、そう確信すると日奈子は睡魔に身を預けた…
遺書入りのダンボール回収は思いのほか簡単だった、マンションの前で待ってて来た宅配トラックから受け取るだけだった
「ミッションコンプリートだね」
「ありがとう…色々…まぁ…貴方に邪魔されなければ苦労も無かった訳だけど…」
「別に気にしないでよ、俺も美人とドライブ出来て楽しかったし…」
日奈子はスマホを取り出した
「仕方ないからLINE位は交換してあげる」
「え?マジで?マジ?本気と書いて『マジ』?」
大喜びする男を見て日奈子は笑った
「あー!」
「どうしたの?」
「やっぱり笑顔が一番カワイイ!」
やっぱりコイツはバカだ…日奈子は確信した
「えっと…『けんた』さん?」
「そっちは『日奈子』さん」
お互いに表示された名前を確認した
「よろしくね、日奈子!」
いきなり呼び捨てかよ、とは思ったが日奈子は何故だが嬉しかった
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