第2話…結局こうなるワケで…
「とりあえずカンパーイ!」
深夜の居酒屋に居る理由…まぁ普通に考えて『電車が終わってた』それだけだった
「美人と飲むお酒は益々美味しいですな」
「そりゃあよござんしたね」
日奈子はため息を吐いた
「どうしたの?」
数時間前まで自殺しようとしてた人に対して『どうしたの?』もないもんだ
「人生計画失敗した…」
「ガンバ!」
「邪魔した本人が言わないでよ」
日奈子はサワーを一気に飲み干した
「一回ヤラせてとしつこい男に用意周到な自殺計画を邪魔されるなんて人類の歴史でも私だけだわ…」
お代わりのレモンサワーをタッチパネルで注文しながら言った
「レアな経験じゃん」
「アンタこそなんであんな場所に居たのよ」
「ん?秘密」
「秘密って…人の人生プラン滅茶苦茶にしておいてそれは無いんじゃない?」
「じゃあ昼寝したかったから…かな?」
「そしたら私を見かけた…と…まぁそれで良いわ…どうせ朝までの付き合いだし…」
日奈子は届いたばかりのサワーを飲んだ
「LINE交換する?」
「しない」
「ケチ」
なんだろうこの男…確かに軽いノリだが一緒に居て不快では無い、もし学生の時に知り合っていたら自分の人生も少しは変わっていたのかも…と日奈子は思っていた
「あ!マズイ!」
「どうしたの?」
「遺書と昨日までの服を入れたバッグ宅急便で実家に送ったんだ…」
「実家どこ?」
「北関東」
「中途半端に遠いな」
「アナタ北関東の人に怒られるわよ?」
「北関東なら明日の朝実家の管轄の配達センターで受け取れば良いじゃん」
男は退屈そうに言った
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