最終話 ヘアピンは俺の物?
「だいじょうぶ?」
「大丈夫」
目的の島へ。
やっとたどり着くことが出来たというのに。
感動もへったくれも無い。
仲間の家を探すのに。
こんなに手間取るなんて。
「あの……。私、歩く、よ?」
「ダメだよ」
裸足だし。
怪我しちまう。
俺は、リュックをお腹の側に背負って。
女の子をおんぶして。
「ここも見おぼえない?」
「うん……」
びっくりするほど大きな家の周りを。
ずっと歩き続けて来たんだけど。
……玄関。
どこ?
壁の向こうには。
テレビで見たことのある山とか見えるから。
ここだってことは間違いないんだけど。
今まで見かけた入り口は。
全部お客様用って説明されたし。
この子の家に入る入口が。
どこかにあるはずなんだけど。
どこまで歩いても。
いつまで歩いても。
見つからない。
……荷物が重たい。
足が痛い。
さすがに諦めたい。
こんな子置いて。
もう帰りたい。
でも、主人公は。
仲間を見捨てたりしない。
初めて知ったよ。
主人公って辛い。
……もう、空が赤くなり始めて。
子供は帰る時間。
この子を家に帰さないと。
それに。
「俺……。叱られちゃう……」
焦り始めた心が。
足を勝手に走らせる。
そして、何かにつまづいて。
「うおっ!」
「きゃ……」
俺たちは。
盛大にすっ転んじまった。
「いてて……」
「たいへん……。手のひらが……」
普段なら。
転んですりむくぐらいどうってことはない。
リュックを開けば。
絆創膏だって入ってる。
でも。
この子を。
もう家に帰らせることはできないかも。
俺も。
もう二度と家に帰れないかも。
夕焼け空に。
あんなにお日様が浸って。
もうすぐ、海に沈んで。
火が消えちゃう。
そう考えたら。
凄く悲しくなってきて。
「ねえ……。泣かないで……」
俺は。
泣き虫だから。
主人公なのに。
泣いちゃった。
やっぱり。
危険な場所なんか選ぶんじゃなかった。
マンガで見たことがある。
未熟者が危険な場所に挑んだら。
死んじゃうんだ。
死んじゃったらきっと。
お母ちゃんに怒られて。
どれだけ謝っても。
嫌いなまんまになっちゃうんだ。
一度泣き出したら。
お母ちゃんに撫でられるまで。
どうしたらいいか分かんなくなる。
でも、そんな俺が。
ぴたりと泣き止んだ。
不思議な魔法…………。
「サンタさんの~、おひげは~。真っ白な~、おひげ~」
女の子の声。
綺麗な歌声。
「ほんとうは~、くろいのに~。どうして~、白いの~」
夕日のせいで赤く染まった。
真っ白なドレスの女の子。
「みんなの~、ために~。雪の国から~、来たからよ~」
すごく楽しそうな笑顔で。
空一杯に手を広げて。
クリスマスの歌を聞かせてくれた。
これが……。
この子の特技?
……なんだか。
力が湧いてきた!
よし、頑張ろう!
俺はすぐに立ち上がってリュックを広げる。
七つ道具、その三。
『絆創膏』。
手を突っ込んで探していると。
黒い車が三台。
俺たちのそばに停まって。
黒い服の人たちが出て来た。
こ……、こいつらはまさか!
「テレビで見た! 誘拐の人!」
「誘拐? ……そうなの?」
「そう! でも、俺が守るから! 後ろに隠れて!」
リュックから、俺の最強の武器。
七つ道具、その一。
『変身ベルト』を出して身構える。
こいつは、俺の仲間だ!
こいつから、勇気を貰ったんだ!
俺は絶対負けない!
「……やれやれ。私にしてみたら、誘拐犯は君の方なんだがな、少年」
部下の間から。
ボスっぽい人が出て来た。
すげえ怖え!
膝が震える。
奥歯がガチガチ言ってる。
でも。
俺は負けねえぞ!
……そう、思ったら。
女の子が。
ボスキャラの足にしがみついて。
「パパ!」
「…………へ? お父ちゃん?」
「うん!」
え?
ほんと?
この子。
嬉しそうにはしゃぎ始めたんだけど。
なんだか拍子抜けなんだけど。
……でも。
「よ、よかった……」
どっと力が抜けて。
そして今更怖くなって。
……怖くなって。
すげえ怖くなって。
めちゃめちゃ怖くなって。
ぶるっ
…………なんか。
自然と出てきちゃったんだけど。
「あのね? この人電車に乗せてくれた! すごく楽しくてね? それで、パパに会わせてくれたの!」
「それがなんでこんなところを歩いていたのか訳が分からんが……。少年。これは、親切でやったことなのか?」
「…………うん」
「ならば無下にもできんか。……家まで送って行こう」
そう言われても。
漏らしちゃったし。
お前ら怖いし。
でも。
どうしたらいいか分からないままでいた俺の手を。
女の子が強引に引っ張って。
「帰ろう……、ね?」
びっくりするほど大きな車に。
無理やり押し込まれちゃった。
……車が走り出してからも。
不安でいっぱい。
でも、女の子はニコニコしてるし。
もう降りられないし。
「……通報者には十分な謝礼を。……ああ、少年の家が特定できた? すぐに親御さんへ事情を説明しておけ」
やたら怖いお父ちゃんは。
ずっと電話しっぱなしだし。
俺。
どうなっちゃうんだろ?
あと。
車のシート。
濡らしちゃってごめんなさい。
なんか湯気出てる。
「ベルト、変身できるの? 何に?」
「……今は、……びしょびしょマン」
「ふーん……。あのね? クリスマスだからプレゼントあげる! えっと……、何がいいかな……」
そうだった。
今日は、クリスマス。
俺は。
クリスマスプレゼントの途中だったんだ。
凜々花が。
靴下に直接書いた願い事をあげてる途中だったんだ。
ままといっしょに
くりすますはふたりでいたいなあ
……俺があげたプレゼント。
きっと届いたに違いない。
でも、もういいよね?
俺、帰ってもいいよね?
「あ! じゃあ、これあげる!」
女の子が。
俺の手に何かを押しつける。
でもこれ。
「ちょうちょ? 男がこんなの付けたら恥ずかしい」
「似合う……、よ?」
「そう。……じゃ、貰っとく。それじゃお返しに……」
「いいよ? もらったよ?」
「……あんパンとコロネ?」
「そうじゃなくて……、ね?」
それ以外にあげたっけ。
俺が首をひねってると。
女の子は、やたら嬉しそうにしながら。
こんなことを言いだした。
「あのね? 友達!」
「え?」
「お友達! ……いや?」
「…………じゃあ、それで」
「うん!」
なに言ってんだこいつ。
お友達になるって。
それは、俺がお前にあげたプレゼントであると同時に。
お前が俺にくれるプレゼント。
こいつはプラマイゼロだから。
結局。
俺の方が、いっこ多く貰うことになる。
……しょうがない。
また今度。
一緒に冒険しよう。
そんとき。
お返しするから。
必ず、お返しするから。
なにをあげたら喜ぶだろう。
やっぱり女の子だから、アクセサリー?
あれやこれや。
考えてるうちに。
俺はいつの間にか。
寝ちまった。
……夢の中で。
俺は、海賊船の船長だった。
七つの海をまたにかけて。
沢山の仲間と共に大冒険。
もちろん。
歌でみんなに元気をくれる。
最高の仲間は俺の隣。
でも、ちょっとだけ離れていてくれ。
きっと大波をかぶったせい。
俺。
びしょびしょだからさ。
最終話 ヘアピンは俺の物?
行きに五時間かかったわけだから。
当然帰りだって五時間。
……では済まなかった。
「…………ぐったりだな」
途中で電車が無くなって。
タクシー拾って。
金額表示が信じがたいことになった件についての。
諸悪の根源。
「もう反省しろとか言わない。今度からは絶対見捨てる」
「そこを何とか……、ね?」
駅弁は、駅で食べるものと思ってたって。
どういう理屈で新幹線下りるんだお前。
こいつと出かける時は。
GPS必須だな。
あるいは。
首輪。
――ようやく見知った辺りまで帰って来たはずなんだが。
それなり積もった雪のせいで。
まるで別世界。
見覚えのないシルエットになった駅前は。
家に近付いている安心感と相まって。
ちょっとだけ心が弾む。
車を下りたら。
異世界冒険とか始まったりして。
……でも。
このパーティーじゃ不安だけど。
とくに。
気づいたらいなくなってるやつが一番困る。
だってゲームで言ったら。
戦闘中。
急にキャラが一人いなくなるんだぜ?
メーカーに電話するわ。
「……凜々花が、一緒に来たかったと言っている」
ずっと、メッセージのやり取りをしていた春姫ちゃんが俺に教えてくれた凜々花情報。
ああ、わりいことしたな。
お袋と一緒なら文句ねえかとも思ったけど。
まあ、あいつなら全員一緒がいいとか言うとこだよな。
それをあの野郎は。
二人で居たいって言葉、勘違いしやがって。
「まったく、親父は何にも分かってねえ」
「……え?」
「いや、なんでも。ついたついた」
舞浜家はもう少しだけ先だから。
俺だけを下ろした車が過ぎ去ると。
既に深夜と呼べる時刻に。
我が家の明かりだけが、舞い散る雪の世界に淡く浮かび上がる。
蛍のような光と窓の雪。
卒業するには桜が足りない。
……いや。
桜色なら一つだけ。
青と黄色に挟まれて。
赤の色が褪せてしまった。
ピンクの蝶がこいつの頭においおいおい。
「何で降りてんだよお前っ!!!」
「カ、カンナさんが、プレゼント交換で余った私の分があるからって……」
ああ、なるほど。
でもお前さ。
そんなこと車の中で一言も話してねえじゃねえか。
今頃春姫ちゃんが。
また消えたって悲鳴上げて……、あ、聞こえた気がする。
「じゃあ、お前は春姫ちゃんにメッセージ送っとけ。俺がカンナさんから貰っとくから」
「うん……」
ゴシックドレスが雪の中。
ほんとにファンタジーの世界みたいな光景を背に。
俺は、店の裏から階段を上って。
「…………ぎりぎり気付いてよかった」
もう寝るからと、見覚えのある筆跡で書かれた立て看板の下矢印。
階段の途中、足元にうず高く積もった雪を掻き分けると。
いい感じに湿った。
赤いラッピングのプレゼント。
「……なんという奇跡」
俺は、階段から振り向いて。
雪の間接照明で照らされた。
秋乃の姿を見つめながら考える。
運命とか。
必然とか。
そんな言葉を信じることができない程度に現実主義な俺でも。
あいつの運だけは。
あいつと一緒にいると巻き起こる、おかしな日常だけは。
現実のものとして受け入れることができる。
「…………受け取った?」
だから。
これがあいつの手に渡るのも。
「うん」
多分。
成るべくして成った事。
俺が、できるだけ雪を払って。
冷たくなっちまったプレゼントを渡すと。
一瞬躊躇してから箱を手にした。
秋乃の瞳が俺を見つめる。
「これ?」
「おお。…………俺が買ったやつ」
そんな言葉に。
秋乃はじっと、プレゼントの箱を見つめて。
二度。
三度。
雪が乗るほどに長いまつげを揺らして瞬きをすると。
ゆっくりリボンをほどいて。
湿った紙に気を付けながらテープを外して。
「いいって。破いても」
「ううん? これ、取っておきたい……」
そして、永遠とも呼べるほど。
長い時間をかけてラッピングを外すと。
予想通り。
これでもかと見開いた目で。
……箱の中から現れた人形を。
ずっと見つめ続けていた。
白いポンポンを三つ付けた。
真っ赤なフェルト生地の衣装。
引きずるほどの袋を抱えて。
ブーツを蹴り上げるその姿は。
「さ……、さんたちゃん?」
「まったく。お前に散々振り回されたぜ、この三日間」
ラップランドの女の子。
そんなイメージで買っただけなのに。
こいつは俺たちに。
散々プレゼントをばらまいて。
素敵な笑顔を運んでくれて。
そして。
最後には。
「………………大切に、する……、ね?」
俺の大事な友達を。
こんなにも笑顔にしてくれた。
――凜々花の部屋とリビングの光。
玄関の明かりが輪を作る。
凍てついた夜の黒い空気に。
暖かな雪の乱反射。
秋乃と俺の周りだけは。
白く、世界から切り離されて浮かび上がる。
「あのね? サンタさんって、みんなに感謝されるけど……。クリスマスの夜は、お友達とも、家族とも、一緒じゃないの」
「…………ほんとだな」
秋乃は。
透明なケースを曇らせながら。
一人でもけなげに微笑むサンタちゃんを見つめて呟く。
「だから……」
「……そうだな」
「一緒に遊べてよかった……、ね?」
「ああ。楽しいクリスマスだった」
散々だった大冒険も。
あっという間に楽しい思い出。
まるで。
舞浜父から教えてもらったことの再確認。
笑えば。
すべてが楽しい思い出に変わる。
……送って行こう。
そんな言葉をなかなか言い出せない程。
幸せな時間を共有出来たことが嬉しくて。
「サンタさんの~、おひげは~。真っ白な~、おひげ~」
その上。
面倒な友達だといくら思っても。
こいつの特技に。
いつもやられちまう俺がいて。
「……お前の歌は、ずるいな」
「え?」
「なんだろう。上手く言えないけど、あえて言うなら……」
「あえて言うなら?」
「…………ずるい」
「あえてない」
くすりと笑った秋乃が。
ふと、何かを思い出したように。
わたわたと、ポケットを探りだす。
「なんだよ。笑いのお返しならいらないぜ?」
「わ、笑いじゃないけど……、お返しね? …………これしかないけど」
「うはははははははははははは!!! それただの返却!」
お前のじゃなくてお袋のだろうよ!
ヘアピン外して渡されてもな?
「しかもちょうちょだし。万が一俺がこんなの付けてたら恥ずかしい」
「似合う……、よ?」
「イヤミか。……じゃ、貰っとく。それじゃお返しに……」
「いいよ? もらったよ?」
「……コロネ」
「…………もらう」
さんたちゃんとコロネ。
二つのクリスマスプレゼントを抱えて。
秋乃は何かを言いたそうに。
ちらちら俺を何度も見た後。
それきり黙って。
それでも、心から嬉しそうに微笑みながら。
家までの道を歩き出す。
さくり。
さくり。
世界は真っ暗だってのに。
雪の道は。
どこまでも真っすぐ。
俺たちの進む先を明るく照らす。
切り替えで迷うことも無い一本道。
ずっと、こんな道を二人で歩けたなら。
「あの……」
「…………ん?」
「あ、ありがとう…………」
最初にあげた。
二つのクリスマス。
みんなとのパーティーと。
おやじさん。
そして、今あげた。
二つのクリスマスプレゼント。
さんたちゃんと。
お前の好きなコロネ。
一体、どれに対してのありがとうなのか。
それは分からないけど。
わがままなお前には。
もう一つくらいあげても、なんにもおかしくねえって思ってるくらいだから気にすんな。
「それでね? も、もう一つ欲しいものがあるんだけど……」
「だからってホントに要求して来るとか欲の塊なの!?」
思わず、モノローグからの流れで突っ込んじまったもんだから。
秋乃は、びくうと体を強張らせたまましょげちまった。
「ああ、わるい! いいから! もう一つ、なんかくれてやるから!」
慌てて秋乃の前に出て。
振り向きながら、両肩を掴んで謝ると。
暗がりの中で。
真剣な表情をした秋乃が。
瞳の中に、何かの決意を宿して。
じっと俺のことを見つめていた。
……二人の間を。
雪の結晶が二つ、三つ。
時間すら冷たい夜に凍り付いて。
落ちずに留まる結晶の中に。
いくつもの秋乃の姿が映り込む。
そんなクリスタルが起こした光の奔流。
戻って来たタクシーのヘッドライトが。
結晶のプリズムを透過して七色の輝きをあたり一面にまき散らすと。
目もくらむようなハレーションの中から。
瞳を閉じた。
秋乃の姿が現れた。
…………車のテールランプは離れていく。
時間は流れているはずなのに。
秋乃の瞬きは。
いつまでたっても凍り付いたそのままで。
俺も。
秋乃の両肩を掴んだままの手が。
どれだけ放そうとしても。
元の時間の流れに戻れず動かない。
心臓すら凍り付いた。
音の無い世界のなか。
俺たちは。
多分、丁度二人の間を漂う雪の結晶を唇に当てたくなったんだろう。
少しずつ。
時の流れに逆らうかのように少しずつ。
ゆっくりと近付いて……。
「よし! 覚悟完了!」
「ふんにゃっ!?」
「…………ちかい」
「はにょへめは!?」
なんだ違ったの!?
あぶねえよ何考えてんの!?
慌てて秋乃から離れた瞬間。
心臓が思い出したかのように生命活動開始。
冷え切った頭に。
大量に送り込まれた血のせいで。
耳まで真っ赤になってるのが手に取るようにわかる。
一人でパニックに陥りながら。
あまりの恥ずかしさに目に涙まで溜めていた俺だったが。
こいつの、魔法の言葉が聞こえた瞬間。
肩の力が抜けて。
腑抜けた笑顔にさせられて。
幸せな気持ちに包まれることになった。
「す、素敵なクリスマスをありがとう。
…………立哉くん」
まるで。
冬から春へと変わる時の流れのよう。
ゆっくり。
ゆっくり。
小さな変化の積み重ね。
半年かけて。
やっと。
俺は。
お前の友達として認められた心地だよ。
「……どういたしまして、秋乃」
もう一つプレゼントが欲しいって。
そんなことかよ。
なに言ってんだこいつ。
やり遂げた感一杯。
鼻息も荒く歩き始めた秋乃の背中を見つめながら。
俺は苦笑いと共に。
盛大にため息をついた。
名前で呼ぶって。
それは、お前が俺にくれるプレゼントであると同時に。
俺がお前にあげるプレゼント。
こいつはプラマイゼロだから。
結局。
お前の方が、二つも多く貰うことになる。
……しょうがない。
また今度。
一緒に冒険しよう。
そんとき。
お返ししてもらうから。
必ず、返してもらうから。
なにをくれる気だろう。
やっぱり秋乃の事だから……。
「「アクセサリー?」」
ようやくたどり着いた舞浜家の前。
二人同時に口にしたこの言葉で。
二人同時に笑い合う。
「お前! 人の心読むな!」
どうしてお前は俺と同じ思考回路なんだよ。
恥ずかしくて、呆れて。
つい大声で突っ込むと。
「だって…………。友達だから……、ね?」
不思議な言葉と、優しい笑顔を残して。
長い髪を雪の反射で煌めかせながら。
秋乃は。
あたたかな光の中で輪郭がおぼろげになった家の中に。
嬉しそうに入って……。
ずるっ
「きゃん!」
…………そして。
最後の最後は。
「……びしょびしょマンだな。秋乃」
「…………レディー、よ? 立哉くん」
ふてくされた、ブサイクな顔で。
ずっと俺をにらみ続けていた。
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