第3話弱肉強食
儂の構えを見た緑の化け物たちは、またも大声で笑い声のようなものをあげる。
ふむ……他者から見下されるという経験がなかったから知らなかったが、下に見られるというのはこんなにも腹立たしいものなのだな。
一匹を残して他は殺す。
シュッと一瞬で緑色の化け物の裏を取ると、それらは度胆を抜かれたように驚いた表情をしている。
この程度のことで驚くってことは、こいつらは大したことない。
まあそもそも腕の立つやつかどうかは一目見れば大体わかる。強者のオーラというものは隠そうにも溢れ出てしまうもの。
しかしこいつらからはそれが一切感じられない。脆弱で下等な生物ということがわかる。しかしこの世界での戦闘は初めて。油断は禁物か……。
俺は裏を取り、一番近くにいた化け物の首を手刀で切り落とす。ポテッと軽い音を立てて転がり落ちる同胞の首を見て、化け物たちは驚きの表情から憤怒の表情に変わる。
「おー怒った怒った。やはり化け物といえど、仲間を殺されるのは腹立たしいか!」
伝わらないであろう煽りを言うと、そいつらはより激怒したように見えた。
どう言うことだ? 儂の言葉がわかるのか? でも儂はこいつらの言葉が全くわからないのだが。
この世界のことを儂は知らなすぎる。化け物専用の翻訳機のようなものが存在するのかもしれない。
「まあよい。次行くぞ」
グッと拳を握り、二匹目を屠ろうとする。すると少し距離の離れば場所で、何かが光っている。その光の方を見ると、少しばかり巨大な緑の化け物の足元に円のようなものが描かれており、その古代文字のようなものが光を発していた。
「何だあれは? 魔法陣のような……? でもあれは儂ら人間の空想ではなかったのか?」
儂は一旦距離を取ると、その巨漢の化け物の様子を見る。この後は何をするんだ? 初めての出来事に、興味をそそられる。
そしてその化け物は魔法陣の上で何か言葉を発すると、
それと同時に儂の足元の土が盛り上がり、儂を囲う。一面真っ暗闇になるが混乱することなくあやつのさっきの技を考察する。
考えるに、この世界では魔法や魔術を駆使して戦うのであろう。おとぎ話の世界が現実で起こってると考えればいいだけ。そこまでうろたえる事態ではない。
まあとりあえず、この土壁を破壊した
儂は軽く土壁を小突くと、小突いた場所から土壁は崩れていく。崩れた瞬間、近くにいた三匹の下っ端の顔面を叩き潰す。
後はあの巨漢だけ。でも殺さずに無力化。
「とりあえず手足を切り落とすか」
儂はグッと拳を構える。すると反撃してくると思っていた巨漢の化け物は儂に膝をつき
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