戦闘機と巨人と空飛ぶ美少女

 六本木上空に亀裂が走り、唸り声がその隙間から轟く。


 隙間から巨大な両腕が突き出されると、その手は亀裂をさらにこじ開け中から巨大な人間が現れた。


「違う! 違うじゃないか!! 全然、異世界じゃない!!! 出てこい! 菊坂! ぶっ殺してやる。俺を異世界に飛ばしやがれ!!!」


 巨人は雄叫びを上げながら、傍らにあるビルや高速道路を拳で破壊し薙ぎ払った。

 両手で六本木ヒルズを掴み、頭を打ち付ける巨人。


 何機かの戦闘機が六本木上空に現れ、ミサイルを巨人に撃ち込んだ。

 巨人は目から光線を放ち戦闘機を撃ち落とした。

 倒壊する六本木ヒルズ。

 逃げ惑う人々。響き渡る悲鳴。


「やめなさい! 人公! 罪のない人を殺めるのは」

 空に浮かぶ菊坂が巨人に言い放った。

「ふざけるな! 異世界に飛ばすって言ったじゃねえか! この裏切者めが!!」

 巨人は菊坂に向かって口と目から光線を放った。

 ヒラヒラと光線を交わす菊坂。

「めんごめんご。飛ばすとこまちがっちゃった。てへぺろんちょ」

 菊坂は巨人に向かってウインクした。

「なめんじゃねえ!! ぶっ殺す!」

 光線が菊坂を襲う。何の苦も無くかわし続ける菊坂。流れ弾となった光線に被弾し倒壊するビル。焦土と化す六本木。


「くまくまてまーや。こんくまくまやん。てまてまくまんや! 人公を異世界に飛ばし給え!!」

 光線をかわしながら飛翔する菊坂が呪文を唱えると、巨人は光輝き消え去っていった。

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