ステータスはどんなのがいいですか?

「ステータスはどんなのがいいですか?」

 真っ暗で何も見えない。声だけが聞こえる。

「HPとかMPのことですよね。もうちょっと詳しく教えてもらえますか? 初めてなんです。異世界転生」

「ステータスはどんなのがいいですか?」

「‥‥ちょっと」

 主人公は溜息をついた。

「あの、適当すぎませんか?」

「ステータスはどんなのがいいですか?」

「怖い!怖い!怖い!!怖い!!! 真っ暗で何も見えないし、『ステータスはどんなのがいいですか?』しか聞かれないし! 怖いよ! もういいよ!!」

 

 突然目の前が明るくなり、手で顔を覆う主人公。目の前には女神のコスプレをした菊坂凛がいた。菊坂の周りを淡い光が漂っている。

「コスプレじゃないわよ!バカ!!」

「こ…心が読めるのか」

「そうよ。だって私女神だもん」

「俺の幼馴染じゃないのか」

「幼馴染でもあるわよ」

「はあ…」

「私はね。いろんなところに、いろんな人の幼馴染として出現して、トラックに轢かれそうになり助けてくれた人を、異世界転生させる任務を任せられているの」

 菊坂は腰に両手を当て偉そうに言った。

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