第12話 不意打ち

 今日も廃村の廃病院の2階の病室の個室で彼女と愛し合っているボク。けれども、もういい加減倉庫の食料がなくなってきている。どうしたらいいんだろう。ボクと彼女が行為中に廃病院の中でこの世のものとは思えない声が大きく響きわたる。ボクと彼女は目を合わせてから急いで服を着て鉄の棒を二人でそれぞれ握る。なんてことだ。もう異形の人々は居ないとばかり思っていた。しかし、いったいどこから? 廃病院のスタッフルームの十字架を壊したことを今さらになって後悔する自分。ボクと彼女は2階の方で階段を上がってくる異形の人々を迎え撃つ。だが、数が多すぎる。しまった。このままでは異形の人々にやられてしまう。ボクと彼女は必死で異形の人々を迎え撃つ。ジリジリと後退していくボクと彼女。いくら鉄の棒で倒してもどんどん異形の人々が襲いかかってくる。

「絶望に 戦い このまま 終わりたくはない」

 くそっ! どうしてこのタイミングで歌声が聞こえるんだ! ボクと彼女は病室の個室に逃げ込む。ドアを閉めてカギをかける。もう終わりだ。ボクと彼女はお互いを見る。すると。

「最後にキスさせて」彼女は真面目にそう言った。

 ボクと彼女はキスをする。ドアからは物音となんとも言えない声が。もう終わりなのだ。ボクと彼女は熱いキスを続ける。ボクは彼女を力強く抱きしめる。ボクはドアを見る。もう終わり、ボクと彼女はここで朽ち果てるのだろう。ボクは覚悟した。


続く

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