第9話 異形の人々と遊ぶ
ボクと彼女は廃病院で毎日を過ごす。その十字架のおかげで異形の人々の攻撃はない。ボクと彼女は愛し合っている。さて、今日も異形の人々をひとりずつこの鉄の棒で遊ぶかな。その方法は簡単だ。廃病院の入り口から一歩だけ外に。それから異形の人が近付いてくる。そこを廃病院にあった鉄の棒で殴って倒すというものだ。彼女はこう言った。
「ねえ? ちょっとひどくないかな」
「どうして?」ボクは彼女の考えを聞いてみる。
「だって、元々この廃村の人々かもしれないのに」
うーん。それもそうだな? それにこの毎日で異形の人々の数はかなり減っていた。それでは、この廃病院のスタッフルームにある、鏡に埋め込まれている十字架を壊してやれ。ボクはそのことを彼女に言った。
「えーと、大丈夫なの?」彼女は心配そうだ。
「大丈夫だって!」ボクはスタッフルームの鏡に埋め込まれている十字架を鉄の棒で破壊する。
すると、廃病院の中を異形の人々のなんとも言えない声がやってくる。ボクと彼女は鉄の棒を握る。そして、2階の階段の方で上がってくる異形の人々を迎え撃つ。さすがに異形の人々の数は少なかったため意外と順調に倒せた。そして、異形の人々はひとりも来なくなった。ボクと彼女は廃病院を出て、この廃村を囲う森を見つめる。その魔物とやらがこちらの様子を見ているようだ。その姿が虫のようで大きなものである。うじゃうじゃといる。彼女はボクの手を引っ張って廃村の中を歩く。このまま、朽ち果てるまでここで愛し合わなければならないのか?
続く
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