第8話 お互いに求め合う
ボクと彼女は病室の個室のベッドの上でお互いにキスを続ける。ボクたちはお互いに求め合う。窓から外の様子をチラッと見れば異形の人々がうろついている。異形な愛、なんて考えてみる自分がいる。
「その先には 花園がある。確かめるといい」
ボクだけに聞こえている優しい歌声。
ボクは宮坂田健一、この廃病院の医者だったらしいけど、何も思い出せないままだ。でも、今はそんなの関係なしに彼女と愛し合っている。廃病院の個室のベッドの上で。ここは2階。窓から見える空は真っ白だった。ボクは彼女と行為を終えて、二人でベッドの上でくつろいでいる。ボクは彼女をそっと優しく抱きしめて頭を撫でてあげている。今はボクだけに聞こえる優しい歌声は聞こえない。その代わりに彼女の優しい言葉が聞こえる。ボクはこれからどうしたらよいのだろうと思うも、今のボクと彼女を邪魔するものは何もなかった。
「ねえねえ、気持ちよかったね?」彼女は笑顔で言った。
「ああ」全くもってその通りだった。
続く
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