第6話 ボクの名前は宮坂田健一?
「とおい とおい ある日のこと。あなたはここにいた」
まただ、あの歌声が聞こえる。それはボクだけに聞こえている。ボクは元々この廃病院の医者だったのか? それにしても、何も思い出せないのはどうしてだろうか? 彼女はこう言った。
「宮坂田健一、健一さん? 医者だったのね? よかったね。何者かがわかって」笑顔の彼女。
「けれども、何も思い出せない。ボクは医者だったのか。そうか」ちょっと考えているボク。
引き続きスタッフルームでいろいろ調べるボクと彼女。ボクは医者の宮坂田健一、しかし本当に思い出せない。何かの間違いではなかろうか。ボクはひとつの日記ノートを見つける。宮坂田健一と名前が書かれている。ボクは読んでみる。
「なぜ人々が異形になっていくのか、凶暴なものになるのかは解明されていない。ボクたちの病院にも特別な十字架が届く。これで異形になった人々がここに入ってくることはなくなる。十字架、つまりクレーストはロシアが造った機械だ。アメリカ製のクロスは異形の人々に効果があまりなかったようだ」この先はページがちぎられて読むことは出来ない。
いったいなんなんだ? この日記ノートは? 彼女が今それを読んでいる。全く思い出せない。ボクは医者でこの廃病院で働いていたのか?
続く
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます