第5話 廃病院に入る

 ボクと彼女は全速力で走る。大きな廃病院へと向かって。異形の人たちを避けながら。よし、もうちょっとだ。ボクと彼女はドアが開きっぱなしの正面入り口から中に到着する。異形の人たちはまたどこかに去っていく。ふう、これで大丈夫だ。ボクと彼女は廃病院のリビングルームで休憩する。けれども、外から見える印象よりも中は意外とキレイだ。ボクはスタッフルームを探す。彼女がついてくる。ちょっと歩いてスタッフルームがある。ボクはちょっと勇気をもってドアを開けた。スタッフルームの中は誰も居ない。書類などが散乱している。ボクはとりあえず、その書類のひとつひとつに目を通す。今のところは何も情報がない。ボクはスタッフルームの散乱している書類を彼女と一緒に目を通していく。うーん、何か手がかりはないのか? ふと、ボクは鏡の方に視線を向ける。あ、あの十字架が埋め込まれている。けれども、何も情報がない。書類に書かれていることは意味がなかった。しかし、ひとつの書類にボクは驚いた。なぜなら、ボクの顔写真が書類に貼り付けられているからだ。ボクはそれに目を通す。ボクは更に驚いた。ボクは医者だった? どういうわけだろうか? 彼女は無言でボクの持っている書類に一緒に目を通しているようだ。わからない。いったいなんなんだ。ボクの名前は宮坂田健一? そして、この廃病院の医者だった? ボクは混乱する。


続く

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る