第2話 ボクはそれを拒んだ
ボクは混乱している中で彼女の家らしき廃墟の中を見てみる。しかし、どう見てもここは廃墟の家にしか見えない。壁がボロボロになっている。天井はちょっとだけ空が見える。机の上にはホコリが。ただイスだけがキレイな状態なので、ボクは恐る恐る腰かけてみる。彼女を見る。彼女は落ち着いているようだ。ボクはまだ頭の整理がつかない。彼女は鏡の方に指をさす。そこには鏡に埋め込まれたかのように十字架、それもちょっと小さい十字架がある。なるほど、先ほどの十字架とはこのことか。
「ねえねえ? 女の子の家にいるってことは、することはひとつでしょう?」彼女が自然な笑顔でそう言った。
「えーと、どういう意味だ?」ボクは全くなんのことかわからない。
「とぼけてもムダよ?」彼女がボクにゆっくりと近付いてくる。
ボクはなんのことかわかった。だが、この建物はどう考えても廃墟の家、ボクはそんな気分になれなかった。なので、ボクはこう言った。
「ごめん、まだ頭の整理がつかない。また、あとにしてくれないか?」
「うん、わかった」彼女は笑顔のままだ。
ボクはそれを拒んだ。なんだろう。彼女はなんなのだろうか? ここが彼女の家? どう見ても、廃墟にしか見えない。ボクはいったい何者なのだろうか。
続く
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