第3話

中庭のいつもの定位置、みんながお弁当を持って集まって他愛のないの話をする時。


「あー、やっとお昼だ。

本当に午前長かったなあ…。」

「そうだね。現代文と生物があったから、ほんと長く感じたわー。」

「凪咲は今日、調子良くなさそうだったけど大丈夫?」

「大丈夫、大丈夫!

心配かけちゃってごめんね。」

「そっか。無理しちゃダメだよ。」

「はーい。」


授業中にウトウトとすることがほとんどないからか、葉月に心配されてしまった。

それに返事していると、隣にいた航からデコピンされた。


「痛っ!」

「無理しといてそう言っても信憑性ないっつーの。食べたら寝ていいから早く食べろ。」

「…わかったよ。」


航も心配してくれていたみたい。

…なんだか心が少しぽかぽかとした。


「航はほんと凪咲の親みたいだね。笑」

「ほんと付き合ってないってのが信じられんわ。」

「はは、長い付き合いだからわかるだけだって。」

「え、頬赤くなってんじゃん。笑」

「は?!…なってねーよ。」


みんなからいじられている航を横目にご飯を食べ終わった私は、航の肩に寄りかかってウトウトし始める。


頬が赤く、耳も赤くなっている航を見て、心臓あたりがキュッとされるように感じた。

本当にこれはなんなのだろうか。

いつかきっと何かわかるだろう。


そして、みんなの話が少しずつ遠のいていくような感覚を覚えながら、寝たのだった。

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