第3話 噂から確信へ
....その日学校は異様な空気に包まれていた。
理由は1つしかない。
学校の裏掲示板に昨日の深夜2時頃にこんな投稿がされたのだ。
〘 小川 光に彼氏が出来たらしい。それもネットの〙
という書き込みがされていた。
光が学校にきた。
その瞬間他のクラスメイトたちからの質問攻めにあっていた。
「小川さん、彼氏出来たってほんと!?」
光は一瞬驚く顔を見せるも平静で「はぁ、なんのこと?」
と言っていた。
「ネットの彼氏って掲示板で噂だよ?小川さんがネットやってるとは思えないけど...」
「ネットで彼氏なんて作るわけないでしょう?ネットも多少いじる程度にしかやってないし!」
と否定していた。
「ちょっとトイレ行ってくる」
と光がトイレに行くと僕の携帯に連絡がきた。
もちろんネット垢の方にだが。
『なんか、ネットで彼氏出来たって学校の裏掲示板で噂されてるんだけど...私の学校も本名も知らないし、そんなことしてないよね?』
んー?...いや学校も本名も知ってるし、なんなら同学年で同じクラスなんだよ...
だが裏掲示板に書き込みをしたのは俺ではない。
寝ぼけて書き込むということはないはず...
『俺はあかねのことよく知ってるわけじゃないし、その裏掲示板?ってやつに書き込んでないよ!』
『そうよね...』
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
なんとか朝のHRと1時間目を終えると...そこで更なる事件が起こった。
1時間目が終わった直後に裏掲示板に新たな書き込みがされていた
内容は〘小川 光さんの彼氏とのトーク履歴〙という内容だった。
そのトークは間違いなく俺と光のものだった。光が好きだよ?とか言ってるところや、自撮りを送って可愛いって言われて照れてるトーク履歴まで...
なんで...誰だよ...
「小川さん、これ一体どういうこと!?」
ここまで来ると流石に言い訳は苦しかった。
認めざる状況になってしまった以上認めるしかないんだ...
「えー、うん...彼氏だね...隠しててごめん...」
そう言った途端周りの男子たちの顔がどんどん険しくなっていく。
こんな可愛い美少女だ、心を奪われていたやつも多かったはず
しかし先を越されてしまったんだよな...それもネットで出会ったやつに...一日で...
こんなことでいじめられたりしなければいいと思ったけど、そんなこと考える必要はなかった。
「なんだ~、彼氏居たなら言ってよ!ネットでっていうのは意外だけど光が選んだならきっといい人よね!」
と光の親友の雪が言った。
....「チッ」
ん...?気のせいか?なんか今舌打ちが聞こえたような...
するとまた新たに裏掲示板に投稿がされていた。
今度は動画だった。
顔を赤らめて照れている光が映っていた。
俺に甘えてきてる映像も映ってる
恥ずかしながらも肩だして首を傾げながら甘えてくるところも映っている...
俺は察した
〖これはまずい〗と
学校ではこんなキャラじゃないのに、ネットではこんなんだと知られたら引かれる、まず引かれる。
これは学校では陰キャだがネットだと強気に女の子を落としていた俺が1番わかっていた。
「え.....小川さんこんなことしてるの?」
「ぶりっ子じゃん」
「ねぇ」
「何してんの恥ずかしい」
「顔がいいからってこういうことしていいの?」
「もしかして、私可愛いよっていう小川さんの自演なんじゃない?」
「あーあるかも!自分モテますみたいな?可愛いでしょみたいな?」
...ブチ切れそうだった...地獄だった...
こんなに簡単に豹変してしまうんだな...
犯人突き止めないと...
そして裏掲示板にはまた新たな投稿が
みんなの携帯が鳴る。
.....ん?
なんだ.....これ.....
光が襲われてヤってるシーンが映っていた...
トイレしてるシーンだったり
1人でしてるところが映っていた
だがこれは良く見れば分かる。
合成だ...
明らかに合成...
しかしネットに慣れてないバカたちは合成が合成だということにも気付かずに犯人に踊らされているんだ。
周りの反応とは無情なもので
「自分のは綺麗ですよっていうアピール?」
「自演にしてもこれはやりすぎ...」
「まだ中学生だよね?やりすぎでしょwww」
「動画撮影とかプロじゃん、手慣れてんな」
「綺麗な体だけど心は汚れてんな」
「上手いこというなって!w」
...なんなんだ...
なんなんだこいつら
お前らが光の何を知ってるっていうんだ
何も知らないだろ
すぐに切り替わるお前らの方が汚れてるし、汚れてんだよ
...まただ...
まただよ...
何回更新すんだよ裏掲示板!
〖朗報 小川 光さん。諭吉2枚でしてくれる〗
「ま、まじか」
「え、なら頼もうかな」
と男子たち
「この歳で体売ってるとかやば~」
「自分のこと可愛いと思ってないとできないことだよね」
と女子
しかしここでついに味方が...
「なぁ、お前らのやってんのって決めつけだろ。小川がそれを自分で投稿したって証拠はどこにあんだよ」
んーと...この人はこの学校の生徒会長でもあり光ともかなりいい関係に見える
菊池 向陽 (きくち こうよう)だ。
「だって...」
さっきまであんなに言ってたヤツらがたじたじし始めた。
「じゃあハッキングするからお前らもよく見とけ」
ハッキングしてIPアドレスを追って誰がこんなことをしたのか見つけようってことだ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
.....教室が静かになった
IPを追った結果
投稿主は 〘小川 光〙
投稿された位置情報も光の家と一致した
.....「これが証拠じゃないんですか?生徒会長」
「いや...でも...さっきも説明した通り、光が襲われてる動画や1人でしてる動画は合成だ」
さっきより口調が弱い...
生徒会長が去ると
また、盛り上がりだした
ちなみに光は帰った
「やっぱり光じゃん」
「自作自演とかウケるw」
「そんでバレるとか1番恥ずかしいやつw」
「合成したのもさ、自分を見て欲しかったからじゃないの?w」
......「やめなよ」
「みんなで叩いてさ、仮にこれが光だったとしても、だからなんだっていうの?そんなことでいじめられないといけないの?」
と親友の雪が黙ってた口をあけた
「なに?小川さんの味方するの?」
「味方って...当然でしょ、親友なんだから」
「じゃあこういうことを悪ふざけで裏掲示板に投稿してもいいっていうの?」
「だ、だけど!」
言い返しのしようがなかったのだろう
この状況ならなにも言えなくても仕方ない
1VSその他なのだからな
しかもこれ、光が投稿主じゃないならなんでこういう写真やトーク履歴や動画が広まるのかわかんないし、
なんのために誰がこんなことをしたのか突き止めなければいけない。
しかも、光が投稿してたとしたら写真が出回って叩かれる、完全なデッドロップ状態だ
また裏掲示板に新たな投稿が
『1人で部屋にこもってるなう』
驚いた。
それは間違いなく光の部屋だった。
『お風呂なう』
と光の裸の写真が投稿された
な...これは合成じゃない...
「ねぇ、これ合成じゃなくない?」
「自分の体晒してるし」
「え、やばw」
「承認欲求の塊かよwww」
はぁ....これで分かった
遠隔操作でスマホ乗っ取ってるんだ
光のスマホを遠隔操作して投稿したんだ
だから光の家で投稿されたことになってるんだ。
おれも小2からパソコンとかいじってた
ハッキングについてもある人から教えてもらった。
遠隔操作してるやつみつけてぶっ潰してやる。。
光の人生に泥を塗ったこと後悔させてやる。
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