第2話 これが俺の彼女っ!
一聴き惚れをして、あかねと付き合うことになったのだが、あかねはクラスメイトだったのだ...
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
学校にて。
「おはよう」
「え、あ、えっと、おはよう」
美少女が挨拶してきた。
彼女の名は同じクラスメイトの小川 光(おがわ ひかる)正真正銘の俺の彼女だ!
...ネットでだが...
あいさつをすると彼女は不信そうな顔をしていた。
まずいな...バレるわけにはいかないのに...
彼女は明るく、社交性があり、勉強もできる。
そんな完璧な女の子が俺の彼女で、甘えてくるなんて許されるのだろうか...
俺にはネット用にLINEアカウントがもう1つあり、LINEは交換したのだが自撮りや、会いたいとか、好きとか...そういう会話ばっかりだ。
4時間目まで終わり、昼になった。
うちの学校は給食で、4人で机をくっつけてグループを作って食べるため、自分がぼっちであるということを自覚しなくていい最高のシステムなのだが...
席が、最悪...ではない、最高!最高なんだけど...あかねと一緒なんだよぉぉ..
この状況を一言で言うならば
〘 気まずい〙
いやあっちは何も知らないし気まずくないと思うよ!?
だけど俺の気持ちは複雑よ...
なんでも出来て優しくて可愛い目の前にいる美少女が俺の彼女なんだという喜び
しかしあっちは彼氏が目の前にいるなんて思いもしてないだろうという苦しみ
昨日の事を思い出す。俺が好きだよ?と耳元で囁くと照れて恥ずかしがっていたあかねが目の前にいることで想像をしてしまった。あかねがどんな顔で照れていたのか...どんな感じで告白してたんだろ..
.などと考えていると
知らず知らずのうちに頬が緩まっていたのだろう
4人の席のうちの1人、中村 獅龍(なかむら しりゅう)が「おい望月、なにニヤニヤしてんの?なんかいい事あった?」
と聞いてきた。
「あぁ、まぁいい事あったね」
と軽く返した。しかし...
「お前さては彼女できたんだろ!」
「!?」
核心すぎる。。心臓にわるい...
な、なんて返そう
こんなに的確に当ててくるとは思わなかったよ!
「なーんてな、お前に彼女できるわけねーよな」
と言われほっと胸を撫で下ろした。
「そろそろ体育祭だよな。俺は去年リレーで負けちまったから今年こそは勝ちたいなぁ」
「そうだね!去年はほんとに惜しかったよ!あと少しだったんだけどね...今年こそは頑張ろうね!」
「おう!今年こそは絶対に勝つぜ!」
美少女のあかねに応援され、完全にその気になってしまった獅龍であった。
これだよなぁ...美少女ってずるいよなぁ...
大したことしてもらってないのに消しゴム拾ってもらうくらいで俺のこと好きなんじゃね!?ってなる現象はどうにかならないものだろうか...
誰にでも優しい美少女ってほんとに罪だ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今日はほんとにハラハラした1日だったなぁ...
と思い、今日もネッ友と話すために急いで帰宅すると
あかねから〖通話しよー?〗ときていた。
俺は即座に〖いーよ!かけてきて~〗
というと通話が始まった
「えへへ、学校疲れたなぁ」
「そっかそっか!お疲れ様!!」
「声聞けて嬉しいな!」
「僕もあかねの声きけて嬉しいな!」
「ねぇね?」
「ん?」
「ビデオ通話にしていい?」
「へっ?」
思わず声が出てしまった
「んー、えーとビデオ通話!?」
「うんっ!」
「あかねがいいならして欲しいな?」
というとビデオ通話になった。
これまで俺はそうだとは思っていてもどこかでこんなことないだろう、違うだろうと思っていた
だがこの瞬間クラスメイトの小川 光とあかねが同一人物であることを目の当たりにしてしまった。
画面を見ると恥ずかしがっている光がいた。
「どう?」
感想を求めてきた。いつもは真面目で元気な光しかみてないから、恥ずかしがっている光をみてめちゃめちゃ可愛いって思った。
これがギャップってやつなんだと分かった。
だが今思ったことを言ってしまえば、それは普段から見ている人の感想だ。だからここは抽象的に
「うん、めちゃめちゃ可愛いよ?写真じゃなくて通話で動いてるんだもん。いつもより可愛いかな?って思った!」
「///」
可愛いって言われてる度に照れている。
それを、見て可愛いって思う。無限ループだ。
「なにかして欲しいことある?」
その質問はずるい。
その質問1つで俺がしたいことを強制的に言わせる強力な言葉なのである。
「じゃあこっちに向かって手を振ってみて?」
か...可愛い...
美少女ってずるい!!
「他には?」
「じゃあ、好きだよ?って言って?」
「シロ?好きだよ?」
こんどは俺が照れてしまった。
仕方ないじゃん!照れてしまう...これで照れないやつは男じゃない!
しかしこのままでは理性が持たない。
あんなことやこんなことをきう状況になってしまう
それはまずい。バレた時のダメージがデカすぎる。
それを防ぐための手がある。
それは
「色々してもらったし、あかねはしてほしいことない?」
これだ。
切り返せばどうにかなるというものでもないがこのまま放置しておくと自分の性欲が計られる恐ろしい質問だったのだ。
しかし対処しても、物事はいい方向に転ぶとは限らず、最悪の形になる可能性もある。
「んー。じゃあさ、同じ県だし、会わない?」
〘こういうことだ〙
こうなってはまずい
ネット恋愛で、会うという行為はとてつもないほど勇気がいる
しかし、会ってみたら以外と良くて前より仲良くなっちゃった!など
いい事が多いイベントだが
クラスメイトの彼女(しかも相手はクラスメイトだということを知らない)なんて会えるかぁぁぁ
毎日昼に見てる顔だぞ
絶対バレるに決まってる。
「....だめ?」
ずるい。聞き方がずるいんだよ
頼む!ビデオ通話で首を傾げながら聞いてこないでくれ!
美少女ってずるいだろぉぉ!
「だめ...ではないけどさ!もうちょっと時間経ってからというか、もっともっと親密な関係になってからがいいと思うんだけど、だめかな?」
引き延ばしで精一杯だった。
「確かに彼女とは言っても2日で会うのは嫌だよね」
「うん。ごめんね?」
「ううん。大丈夫だよ!」
いつもの俺なら間違いなく会っていた。これだけ可愛くてこれだけ俺にゾッコンになってくれてる彼女に会わない理由はない...クラスメイトなどじゃなければな!
クソ!これは悪運だけど幸運だ。
いや逆なのかも知れない
「じゃあさ!私たちの学校そろそろ体育祭があるんだ!それ見に来てくれないかな?」
「うん!わかった!」
これなら都合が良いな。
クラスメイトだし、見に行かなくても見ることができる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
??「.......」
「へぇ裏でこんなことやってんたんだあの女。普段からいい子キャラでみんなにモテモテ。先生からも好かれてて勉強もできる。そんないい人生にまっしぐらの女には、人生の汚点を1つくらいプレゼントしてあげないとね...」
『ハッキング成功...と』
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます