ネットで彼女作ったらクラスメイトだった件

第1話 彼女作ったらクラスメイトだった。

「それじゃあ皆さんさようなら」

と担任がいいHRが終わり下校になる。

僕は急いで帰る。

早く帰ってネッ友と話したい。

この一心で急いで帰る。

ただ、走って帰ると目立ってしまうので、陰キャらしく早歩きで家に帰った。

家に帰ると僕はうるさくなる。

家では普通の男の子なのです。

家に帰るとすぐ自分の部屋に入り、親フラ対策で鍵をかける。

親には部屋に入る時はノックをして鍵を開けるのを待つようにと言ってある。

ノックをされたら即座にマイクを切り、ごめん、親フラとメッセージを送信して鍵をあける。

その日は幸運にも親が仕事で出張に行っており、2日は帰ってこないとの話だった。

親がいないので部屋を閉める必要もなく広々と家を使うことにした。

今俺には彼女はいない。ただ、友達は多い。

彼女を作るとしてもネットでだ。ネットからガツガツ行けるし、顔が見えない分相手を区別せずに絡むことができる。

だがネットで彼女ができればリアルでも会いたい、というのが自分流なのであります。

俺の名前は望月 駿(もちずき しゅん)ネットではシロと名乗っている。

通話アプリを開くといつもゲームをしてるメンバーのグループで既に通話が始まっていた。

俺は急いでイヤホンを持ってきて通話に入った。

通話に入ると「あ、シロ来た。」

と声がした。この子はまりん、一年前から絡んでる仲の良い友達と言ったところか、特別な感情はなく、ただの友達と言ったところだ。

「あ、どうもです!今何してます?」

と聞くと「×××してるで、シロもくる?」と自分より歳上のアクアさんが言った。

「あぁはい、行きます!」

×××とはバトロワで、喋りながらでもやることができる。

アプリを開いてチームに行くと、いつものメンバーにもう1人知らない人がいた。

俺が入ったことによって5人になったのだが、まりんとあくあさん、もう1人は最近絡みだした春風さん

......ともう1人は誰だ...?

「えっと、このあかねって誰ですか?」

「あー、えっと今日フレンドになったばっかりなんだけど」と説明を聞く。

「とりあえず、あかねもこのグループに入れるから通話に入ってもらおう」

と、チャットであかねとあくあさんが話しながらグループにくるように促し、5分後くらいにあかねも通話に入ってきた。

「あ、えっと、あかねって言います。よろしくお願いします」

「あ、うん、よろしく。俺シロっていうからシロって呼んでね」

と返した、まず思ったことは...あかねちゃん超可愛いじゃん!!ネット慣れしてなくて戸惑ったりしてるとことか超可愛いじゃん!!

これがネットの恐ろしさとも言えるだろう。一目惚れならぬ一聴き惚れだ。

好きになってしまったものはしょうがない。付き合いたいと思うのも自然の摂理だろう。

それが男という生き物なのだ。

だがここで対応を誤れば引かれるだけではなく、嫌われてしまうのが落ちだ。

ネット恋愛をずっとしてきた俺はチャットを見るだけで相手の気持ちがわかるレベルまで成長した。

例えば、フレンドになったばっかなのにどこ住み?などは完全にヤリモクだと思われてしまう。

他にも歳を書いてる人に何歳?とかいきなり連絡先を聞く、などはしてはならない。

だがなにもしないでゲームする時だけ一緒にやる、など消極的すぎると、仲良い関係にすらなることが出来ない。

だから俺は好きになったらある程度ガツガツ行くようにしているが失言はしない、相手に彼氏がいようと取ればいいと思っている。

まず大事なのは相手がネットの恋愛をどう捉えているか、で決まるといっても過言ではない。

ネットとは言っても彼氏は彼氏、特別に扱うし、会って話したり、家でイチャイチャとしたいよね、というタイプと

いやネットはネットでしょ、彼氏なのは確かだけど通話とかでイチャイチャするのがネットでの恋愛の醍醐味じゃない?という2パターン

どちらで捉えてるかは非常に大事なポイントなのである。

とりあえず4人じゃ攻めようにも攻めれない、周りに好意がバレてもダメだ。

とりあえずフレンド申請を送りフレンドになり、今日のところはグループでの通話で多少仲良くなっとこう。

と本日の方針を決めた。

一緒にゲームをすればするほどあかねに惹かれていった。

敵を倒した時の小声でよしっっていう声が可愛い、倒された時の反応が可愛い、いきなり敵が出てきた時にビックリしてる反応が可愛い

とにかく可愛かった。

付き合いたい。そう思った。

「もう遅いしこの辺で終わりにせん?」とアクアさんが23時を回ったところでいった。「そうしよっか」とまりんも言ったので通話は終わった。

俺はチャンスだと思いあかねに個チャを送ってみた。

〖今日はありがとうございました!楽しかったです!また一緒に遊んでくれると嬉しいです!個人的にも暇してる時間が多いので気軽に話しかけてくださいねっ!〗

と、完全にキャラではないような文を送ってしまったが、あかねからの返信は

〖わざわざありがとうございます。私も今日は楽しかったです。是非仲良くしましょ!ちなみにまだ暇だったりします?〗

き、きた!俺はチャンスだと思った

〖はい!暇してますよ!〗

〖私も暇なんですよね~〗

これは、俺には分かる。通話したいけど自分からは言い出しにくいから相手から言ってくることを期待してるんだよね。

〖じゃあ通話繋げます?〗

ここは軽く言ってみた。

〖え、はい!通話しましょ!!〗

なんで分かったの?というような反応だな。こういう反応は好きだ。

俺から電話をかけた。

「あ、もしもし~聞こえますか~?」

「あ、はい!聞こえますよ~」

「暇してるけどゲームしたい気分ではないんですよね~」

「じゃあ普通にお話しますか」

「そうしましょ!」

ここで早速切り込んでみた。

「あかねさん彼氏とかいるんですか?可愛いからめちゃめちゃモテてそう」

「彼氏いないんですよ!作りたいとは思ってるんですけど...」

「そうなんだ...これ口でいうの恥ずかしいなぁ」

「え、なんですか!気になるから教えてくださいよ!」

「じゃあチャットで言うからチャットみててください」

〖僕、あかねさんのこと好きになっちゃったみたいです〗

とチャットで言うとあかねは照れていた。

〖正直付き合いたいって思ってるレベルです。〗

するとあかねさんは口で

「私も気になってました。初対面だけど声かっこよくて、優しいから...私でよければ付き合ってくれませんか?」

正直断られると思ってたからびっくりした。これは振られる前提で告白しているのだ。振られても告白したという事実が残り最終的に付き合う、というような流れにしたかったのだが、OKだとは思わなかった。

僕が驚きすぎてあまりにも黙ってるためあかねは心配して

「えっと、だ...めですかね...」といった。

そこで俺ははっと気付き「いや、こっちから告ってるのにダメなわけないでしょ?いいよ付き合おっか!」

とこっちからもOKを出した。

「やった!!」

「ねぇあかね?」

「なぁに?」

もう敬語ではなくタメになっていた。

「好きだよ?」と耳元で囁くようにいった。

「///」

あかねは照れていた。するとあかねからも「ねぇね?」

「ん?」

「別にシロは顔送らなくていいからさ?私の顔みてくれない?自信あるわけじゃないけど、彼氏には見て欲しいなって!」

「うん!いいよ!送って?」

すると写真が送られてきた。

.....ん?....あれ?

いや、可愛いんだよ?可愛いんだけど...なんか見たことがある気が...

お、落ち着け、そんなことがあるはずないだろ。彼氏になった以上どこに住んでるか聞いても問題はないだろう。

「ねぇ、あかねってどこ住み?」

「え、んーと東京だよ?」

やばい、一緒だ。そんなはずない、ないはずなんだ。。

「一緒だね!」

「え!すご!どんな偶然?」

「ちなみに何区?言えないなら言えないでもいいよ?」

「いいよ?○○○区だよ?」

やばい...どうしよう...一緒だ...これで確信を持てた。

今日出来た俺の彼女はクラスメイトじゃねぇかぁぁぁ

とりあえず違うことにしとこ

「あ~流石にこれは違ったね!てか顔かわいいね!」

「可愛い?ありがとう!」

俺が同じクラスのやつってバレたらとんでもないことになる。

明らかに痛いやつだ。陰キャがあんなに陽キャっぽく振舞って耳元で囁いてくるのだ。これは黒歴史になる。

バレるわけにはいかないのだ...

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る