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 ……人間のせい?

 ……人間が、地球を滅ぼすの?

 ……他の生き物をまで、道連れにして。


 同じ人間として、圭太は、責任を感じた。

 勇気を出して、聞いて見た。


「なにか僕にできること、あるかな」


「うっしっし」

白蛇が不気味に笑った。


「ようやく、私の言いたいことが、わかりましたね? あります。あなた方は、恐竜に仕えるのです。それが、竜王のご意志なのです」


「竜王!?」

圭太とお姉ちゃんは、顔を見合わせた。


「竜の、王……」


「龍王というのは、あらゆる恐竜の祖、偉大なる永遠の覇者。あなた方の言葉でいうと、神のようなもんでしょうなあ」


「はあ……」

 わかったような、わからないような。


「神様なんているの?」

と、お姉ちゃん。


「ぐげぇ」

白蛇が変な声を出した。

「なんて、バチ当たりな!」


「よく言われるわ」

お姉ちゃんは、けろりとしている。


 反対に、白蛇は、げんなりした。

「とにかく、あなた方は、偉大なる竜王に選ばれた人間です。”スーパーおろち”は、竜王が開発したタイムマシンですからね」


「すごい。この電車は、タイムマシンなんだね!」


 圭太は、わくわくが抑えられない。

 急に不安になった。


「なぜ、僕たちなの?」


 運動神経が鈍くて、いつも仲間はずれで、親や、先生さえ、持て余している、この自分……。


 そんな自分を、竜王は選んだというのか。



 憤然と、白蛇が答えた。


「こっちが聞きたいくらいですよ! 私も、直接竜王から命令を下されたわけじゃないんで。スーパーおろちのコンピューターがプリントアウトしたんですよ、あなた方の乗車切符と、宛て名のついた封筒をね!」


 それが、圭太の元に届けられた、あの、手紙……。

 恐らく、この、お姉ちゃんの所にも、同じものが届けられたのだろう。


「わあー、私たち、選ばれた人ってわけねーっ。さすが竜王! わかってるぅー」

おねえちゃんは大喜びだ。


「ほら、あんたも喜びなさいよ」

「えっ、でも……」


 その、竜王という人(?)を、失望させることになるのではないか。

 圭太は心配だった。


「とりあえず、選ばれたんだから!」

「そ、そだね……」


 お姉ちゃんの能天気に、圭太も、ちょっとだけ、影響されてみる。

 心が軽くなった気がした。


 だって、

 恐竜。

 電車。

 タイムマシン。


 浮かれない方が無理だ。

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