第6話 迷宮の森
更新です
さくさくいきます
―――
■
ひとしきりシズが満足したところで、『
しかしその地図が示す青点を目指そうにも、世界は途中で色を失って停止していた。
試しにその外に出ようとすると、システムは『後日譚』の世界そのものからふたりを追い出そうとしてきた。
どうやら『
そんな訳で元の場所に戻ったふたりは、改めて『
一応現在のサブ目的に『森を抜ける』という行動指針も設定されており、ほとんどのプレイヤーはそれに従う形で移動しているようだった。
そのためふたりの進む先には、プレイヤーがほとんどいない。
ときおり目的に従わない形でどこかへふらふら歩いていくプレイヤーもいるものの、少なくとも今のところ、ふたりと同じものを目指しているプレイヤーはいなさそうだった。
「なあなあ、これ隠し的な凄いやつなんじゃねーの?」
「どうせ大したことないから」
「わっかんねーだろぉ?」
無駄に声なんて潜めたりしてわくわくするシズ。
レインは定期的にむずっと口を歪めては腕で隠している。
パーティメンバーが可愛すぎてまじ無理だった。
そうしてしばらく歩いていると、ふたりの進む先は少しずつ森が深まってゆく。
木漏れ日が葉に透け薄れ。
やがてそれすら届かなくなり、あたりは暗くなってゆく。
道を示す光の粒子だけが頼りだった。
「『スーパーシールド』、お、よさげ」
途中シズがミストを明かり代わりに発動する。
あまり遠くまで届く光ではないようで、それでも先行きは見通せない。
いくつも重なるざわめきは暗闇にぼやけてなにか嘲笑めいて聞こえてきて、レインはすぅと目を細めた。
暗闇と、森。
ありきたりな恐怖演出ではあるが、人の根源的な恐怖に訴えかけるようななにかがあった。
きっと慣れていなければ、今にも震え出してしまっただろうと思う。
シズはどうかと視線を向けると、むしろ目を輝かせているくらいで、レインはなんとなく面白くない。
更に、歩く。
暗く、沈んでゆく。
取り返しのつかない深みに足を踏み入れてしまうのではないかという不安感。
時間感覚すら頼りなく思えて、視界の右上に表示した時計を何度も確認する。
「大丈夫か?」
(!バレた……?)
「は?おちょくってんの」
掛けられた言葉に、咄嗟に虚勢を張る。
まさか情けない仕草に気付かれたのかと睨みつければ、どうやらそういう訳でもないらしく、シズは「ははっ、余裕そーだな」などと言ってからから笑う。
かと思えばシズは、少しだけレインのそばに身を寄せた。
「そっちこそいい大人のくせに怖いんだ?」
「んなわけ。こっちの方が明かり寄せれるだろ」
「あっそ」
間近に寄ったシズの顔。
リアルと違って、立っていては見上げなければ見えない。
だからもしかしたらバレてしまうかもと少し思って、けれど、ついつい視線を向けてしまう。
光に照らされた横顔。
とくん、とくん、と、少しだけ、脈が逸る。
ちょうど遠くに目を凝らしていたシズは気がつかなくて、それに安心するような残念に思うような、そんな複雑なものを抱きつつ、バレるよりも前にレインは前を向く。
ひとつ息を吐いて、きゅ、と手を握る。
こうしてシズと一緒に歩いていることが、なにか、とても不思議で―――
「おっ?」
「っ、なに」
ぱちん、と胸の内でなにかが弾けたような感覚。
焦ったように瞬きを重ねながらシズの上げた声に応えれば、シズはやはり目を凝らして闇の向こうを見つめている。
「いや、なんか、光ってねーか?」
「はぁ?」
なにを言っているのかと怪訝な表情になりながら、同じように遠くを見るレイン。
その目が、確かに、光を捉える。
ぼやけるような、光。
道を示す光の粒子とは違う、もっと穏やかな、光。
その優しい光は、そっと揺蕩うように、揺らめいている。
ぽつぽつと、まるで闇の中から生み出されているように、近づけば近づくほど数を増す光。
それに照らされた森が、白く淡く、色付いて見える。
―――そしてふたりは踏み入った。
『環境系:―――未踏破―――』
・何人たりとも森を穢すことなかれ
・未明
【初めての"環境系ミスト"です】
【チュートリアルを行いますか?】
見通せど果てしなく、見渡せば雄大に。
郷に入っては郷に従えと、挑戦者たちに規律を課する。
それが環境系ミストというもの。
キャラメイク時のチュートリアルでしっかりと説明を聞いていたシズはきらりと目を光らせ、説明を聞き流してはいたもののだいたいのところを察したレインはチュートリアルを拒否しつつ面倒そうに顔をしかめる。
「ミストってなぁこれのことだったんだな!」
「めんどそう」
「まじか。わたしめっちゃ楽しみなんだが」
「はぁ……さっさと攻略しちゃお」
「おう!」
見るからにやる気なさげながらも、さすがにゲーマーなだけあって挑戦しないという選択肢は眼中にないレイン。
ただそれだけのことなのに妙に嬉しそうに笑うシズに心を揺さぶられ、きっとバレるはずもないそれを隠すように足は急く。
光の道は、ミストに踏み入った途端に消えてしまった。
見れば地図上でも光点は重なっており、すでに役に立たなさそうだった。
だから特に根拠もなく、ひとまず真っ直ぐと歩いてみる。
進めど進めど、まったく鬱蒼と茂る森である。
どうやら光の粒子たちはある程度の距離までしか姿を見せないらしく、見通そうにも暗闇は奥深く続いていくばかり。
方向感覚すら失いそうな代わり映えのない暗闇の森が、ひたすら周囲を囲んでいる。
歩き、歩きながら、ふたりは言葉を交わす。
「ぜんっぜんなんも見えねーな」
「奇襲とか来るかもね」
「怖ぇこと言うなよ!ほんとありそうだからやだぜ……」
「
「いやまあそうなんだけどな?くっそ、なんか急に怖くなってきたじゃねえかちくしょう……」
「せいぜい縮こまってれば?」
「ぐぐぐ……」
悔しげに歯噛みするシズをレインは鼻で笑う。
まったくそんなに怖がらなくてもモンスターくらい私がぶちのめすのに、という呆れからくるものだったが、恐らくシズには嘲笑以外のなにものでもなかった。
そんなこんなで、さしたる発見もなく進むことしばらく。
ぴこん、となにやら通知がきて、ウィンドウが表示される。
『環境系:―――未踏破―――』
・何人たりとも森を穢すことなかれ
・戻らば戻る
・未明
「なにこれ」
「なんか増えたな」
確認してみれば、未明だったふたつめの項目が変化している。
チュートリアルを進めているシズによれば、探索により環境内でのルールがひとつ明らかになったとのこと。
これをヒントに踏破して最終的に最深部までを見通せば自然と名前が明らかになり、そこでクリアというシステムらしい。
レインは立ち止まり、その文言をしばらく眺めると、くるっと回れ右。
「どした?」
「試すから」
「は?」
なに言ってんだとでも言いたげなシズを置き去りに、レインはさっさと後戻りする。
そうしてしばらく歩いていけば、やがて程なくして、見通す先から光の粒子たちが姿を消した。
戻らば戻る。
つまりは、後戻りをすれば簡単に入口、ないしミストの際にたどり着けるということだろうとレインは当たりをつけた。
実際、一度闇に入り込んでから改めて戻れば、また同じようにミストを示すウィンドウが表示された。
「おい!ビックリさせんなよほんと!心臓止まるかと思ったわ!」
「は?」
後ろから追いついてきたシズが、鬼気迫る表情でレインの肩を掴む。
至近に近づいたシズの顔をまじまじと見て、レインは無性に喉が渇いているような気がしてきた。
そんなレインにシズがまくし立てることには、どうやらレインはシズの前から消えてしまっていたらしい。
シズの見える範囲の光の粒子エリアの外側に出たとたん、闇に呑まれてしまったという。
その上どれだけ呼びかけても返答ひとつなく、慌てて走ってきたのだと。
「とんでもねえ場所だなここ……」
「……」
「ん?なんか分かったのか?」
「…………別に。まだ特に」
「そか。まあまだヒントいっこ空いてねえしな」
うんうん頷くシズをしり目に、レインはふむと考え込む。
レインの中で、おそらくこの環境系ミストがループ系のマップになっているのだろうというのは、ほぼ確信的だった。
なんならそれに関しては、戻る前から思っていた。
先の見通せない森とループなど、その典型的な型のひとつと言ってしまっていい。
その上後戻りしたとたん入口に戻されるとあっては、疑いの余地もない。
とすればいくつか確立されているだろうセオリーに従ってみるかと、レインは周囲を見回す。
ループ系マップのセオリーといえば、例えばキーとなっているものへの対処や、正しいルートでの移動といったものが挙げられる。
どちらにせよなにかしらのヒントがあるはずだろうとそれを探してみるレインだったが、どうにもそれらしいものは見当たらない。
いらだたしげに舌を打つと、見かねた様子でシズが問いかける。
「やっぱなんかあんの?」
「……こういうやつは、なんか、正しいルートとかがあるから、ヒント探してた」
「迷路的な?」
「そう」
「おぉー、それめっちゃ重要じゃね?すげぇなレイン」
(ほめられた……!)
「別に」
感心した様子で見つめてくるシズからそっぽを向き、レインは逃げるようにさっさと歩き出す。
そんな態度も大して気にならないらしく、きょろきょろと見回しながらシズもそれに続く。
歩き回ってみても、なかなかなにかは見つからない。
どうも当てどなく行くのも無駄らしいと判断したレインは、唐突に近くの木を蹴り飛ばした。
ミストすら発動させた蹴りにより皮が弾け飛びものの見事にへこむ木。
降り注ぐ葉っぱをぱっぱと払うレインに、一瞬あっけに取られていたシズが慌てだす。
「いやおまっ、なにやってんだよ!?」
「印付けただけじゃん」
「やり方ァ!」
「うっさいなぁ」
吠えるシズへとレインは不快を顕にしてそっぽを向く。
正直思ったより威力が出てしまったというのは否めないレインである。ついでに暗いせいか目測を誤って、変に当たったつま先がダメージを知らせるようにじびじびと痺れていた。
それを表に出さないようにと気を張った声音はなんとも苛立って聞こえて、シズはぱちくりと瞬く。
その後なにごとか口を開こうとして、ふと視線が逸れる。
「……森を、穢すな、?」
「ちっ。じゃあ次はシズがやれば?」
「いや、じゃなくてな?」
「は?」
ごくり、と妙に大きく聞こえる唾を飲む音。
レインが振り向けば、シズはどこかを見つめて目を見開いていた。
なにごとかと怪訝に思うレインが、同じように視線を向ける。
―――そこには、なにかがいた。
なにか。
なにかとしか表現できないなにか。
闇の中に、それはいる。
輪郭も大きさも分からない。
しかしいる。
なにかが。
確かに。
闇の中にいて。
そして。
「っ、逃げるぞ!」
「ッ!」
シズがレインの手を取り、駆け出す。
ふたりとも装備に手が覆われていることを悔やみながら、レインも引かれるままに駆けた。
「んだよあいつ!」
「……さあ」
(ふ、ふふ、てーつないじゃった)
「ペナルティとかか?くっそ、速ぇ!」
逃げながらシズは振り返る。
振り返る度にそれは闇の中にいる。
少しずつそれは近づいている。
闇が迫る。
光を侵す。
周囲を照らす光の粒子が、気がつけば、数えられるほどのほんの僅かに。
「これまずくねーか!レイン!なんかねーのか!」
「……」
「レイン……?」
あまりの反応の薄さにシズはレインを振り向く。
足は止めずとも、ぼぉ、としていたレインは、シズと目が合うとぱちくりと瞬いた
「……は?なに」
「いや大丈夫かお前。なんか、気分とか悪くねぇ?」
「別に」
「そうか……ってなら知恵貸してくれ!追いつかれるぞ!」
「は?」
シズに言われてようやくレインが振り向くと、なるほど確かに、走っているにも関わらず闇の向こうにはなにかがいて、それは少しずつ、近づいている。
それを見たレインは、さも当然のように足を止めた。
「ぬおっ!?」
「ぐっ、」
当然そんなことをすればシズは腕を引かれ、しかしステータスの差によりレインの方もたたらを踏む。揃って転びそうになるのをなんとか耐えたところで、シズが慌ててレインの手を引く。
「いやなに止まってんだよ!」
「そういうんじゃないからあれ。ほら」
「は!?」
なに言ってんだとシズが振り向けば、闇はやはりそこにあって、そして依然として少しずつ近づいている。
やはりまずいと焦るシズに、レインは呆れた視線を向けて盛大にため息を吐く。
それでようやく冷静になったらしい、シズははたと気がついた様子で瞬く。
「追いついてこねぇ?」
「時間制限なんでしょ」
「まじかよ。いやすげぇなおい……」
レインがあっさりと言ってのければ、シズは唖然とした様子で呟く。
そんなシズに上機嫌になったレインは、なんとも上から目線に呆れる仕草でシズを鼻で笑うと、そのまま手を引いてなにかの方へと歩んでゆく。
「いや、えぇ、まじか」
「こんなん目新しくもないし」
「かっけぇ……」
(この路線だ……!)
余裕ぶって抜かすレインに、シズはおぉーと輝く瞳を向ける。
確かな実感を得つつシズの手を引いてレインは闇へと沈む。
冷ややかで、静かで、おぞましい、闇。
光の盾があってなお照らせない闇の中、そんなおどろおどろしい雰囲気にちょっぴり不安を煽られながら進むレインは、やがて、闇を抜けた。
視線の先は、暗闇の森。
振り向けば、光の粒子の舞う森。
それを確認したシズは、それでもしばらく闇に目を凝らしてみたりして、それから大きく安堵の息を吐き出す。
「はぁあ……マジでビビったぜ」
「余裕でしょ」
「いや今回ばかりは素直にすげぇよ。さすがうちの子だぜ!」
「っ、やめてよっ」
わっし、と頭を撫でられ、レインはあまりの驚きから咄嗟にそれを振り払う。
シズは驚いた様子でぱちくりと瞬き、それからばつが悪そうに苦笑する。
「いや悪ぃ、ついな?」
「……別に」
つっけんどんに言ってそっぽを向いたレインは、いらだたしげにひとつ舌を打つ。
なによりも大人しくシズの手を受け入れられなかった自分にいらついてのことだったが、それを聞いたシズは当然のように勘違いをして後ろでひっそり落ち込んでいた。
そんなできごとを忘れ去るかのように、レインはまたミストへと歩む。
シズはそれにとぼとぼと着いて行きながら、力なくレインに声をかけた。
「……ぁー、とりあえず探索再開だな。みっつ目が出るまで頑張るか」
「……もうだいたい分かってるから」
「は?」
不機嫌そうな声音で告げるレインに、シズは驚き立ち止まる。
レインはそれに振り向くが、説明も面倒だったので気にせず歩く。
「いやいやいやいや!いつの間に、ってかは?いや、まじで!?」
「……」
シズが慌てて追いつくなり問いかけるが、レインは応えずずんずん進む。
そんなレインの態度にやや不安げな表情となるシズ。
またしばらくしてからなにごとかを口にしようとして、しかしそれよりも前に、ふたりはたどり着いた。
視界が、晴れる。
光の粒子に照らされた薄暗闇の向こうが、ひととき眩く映るほどに照らされた。
一際大きく、高く、そびえる一本の木。
溢れんばかりに視界を満たす光の粒子が幻想的に照らし出す、ほんの少しだけ拓けた空間。
そこが最奥であると、否が応にも伝わってくる光景。
不思議な納得と共に、ウィンドウが表示される。
『環境系:
・何人たりとも森を穢すことなかれ
・戻らば戻る
・至らば至る
予想通りの結果に、レインはさして興味もない様子でウィンドウを閉じた。
「……すげぇ」
その感嘆は、目の前の光景に対してかそれともレインに対してか。
振り向くことなく自分に向けられていると確信したレインは内心でガッツポーズをしつつ、ルンルン気分で中央の木に近づいていく。
「すげぇ、いやまじすげえよレイン!どうなってんのこれ!?」
「さあ。自分で考えれば」
「っくぅ〜!なんだよなんだよ!いやほんと、すっげぇ!」
すごすぎて語彙力をすごい喪失したシズがすげえすげえと言う度ににょきにょきと伸びるレインの鼻。反面、種明かしをしたらもっと言って貰えるかもしれないという期待とあえて秘密にして羨望の視線を向け続けられたいという欲求がせめぎ合い、むむむと寄る眉根。
そんな色々な感情を秘めつつ大樹の元までやってきたレインは、それを見上げながら触れてみる。
ダンジョンのクリアといえば当然報酬があるべき、という至ってシンプルな考えによって思いつくことをしてみたのだが、特にレスポンスは得られず機嫌の上がり調子がピタリと止まる。
ぺしぺし。
また厄介なことになってはかなわないとミストなどもなしで木の幹を叩くレイン。
当然のように、特に反応もない。
「……」
「いやまじすげぇなこれ……え、写真撮りてぇ……まじかぁ……すげぇ……」
人知れず心をいらだたせつつあるレインに気づく様子もなく、ほぇー、と周囲を見回したり大樹を見上げたりしては感嘆の声を上げるシズ。
レインはおもむろに拳を振り上げた。
がっし、とシズに腕を掴まれる。
「おい?死ぬ気かお前」
「は?」
「ついさっき酷い目にあったばっかだろ。猫みたいなやっちゃな」
「なにそれ」
「言うだろ?好奇心は猫を殺すって」
どことなく自信ありげに告げるシズ。
どうやら上手いこと言ったと思っているらしいと見透かして、けれどレインの視線は冷ややかだった。
「そんな呆れんなよ……悪かったって」
レインの視線にいたたまれなくなったらしく恥ずかしげに目を泳がせるシズをじぃと見つめ、それからレインはそっぽを向く。
猫どこから来たの、とか。
そんなツッコミを咄嗟に思いついたレインなので、不用意に口を開くのはためらわれた。
ちょっとことわざとか勉強しようと、さすがにちょっぴり思うレインだった。
さておき。
「で?なんでぶん殴ろうとしてんだよおい」
「……なんかくれるかなって」
「なにお前まさか木相手にカツアゲしようとしてんの……?」
「だって報酬ないとかありえないでしょ」
「報酬……景色とか?」
「はっ」
「すげえ。手本にしたいくらい嘲笑」
シズに呆れた視線を向けられてむすっとなるレイン。
しかしシズの方も一定の納得はしたらしく、ふむ、と考える。
「確かに、まあゲームなんだし、クリアしたらなんかくれてもいいかもな?追憶のやつもあったし」
「……」
「だからって暴力に訴えかけんじゃねえよ!」
とりあえず色々探してみようぜ、と必死に提案するシズがちょっと無様で可愛かったので、レインは渋々拳を収める。
それからふたりは、報酬のようなものを探してそのエリアを探索するのだった。
■
《Tips》
『ループ系マップ』
・降りても降りても同じフロア、登っても登っても尽きない階段、進んでも進んでも同じ通路、エトセトラ。2Dの時代でも3Dの時代でも手を替え品を替え受け継がれてきたRPGにおける伝統的作法。後戻りしてみたり、後ろ向きに幅跳びしたり、決まった順路を辿ったりとその解法も様々に用意されており、VRの時代になっても未だネタは尽きることがない。関連ワード:森、迷宮、地下、お城、などなど。
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