02 〇〇〇は役割を果たすか
本稿は毎週末のんびり一話更新、の予定である。まさに牛の歩み。丑年だけに(前二話は丑年違うやーん!)
そんなのんびりさんだから、一週間も経つとなんの話だったか皆さんお忘れだろう。
私も忘れた。
(そんな感じだけれども、呆れず本年もお付き合いのほどよろしくお願いします)
さて。商業出版からは漏れてしまう良作をなんとか拾いだして求める読者に届けたい。
しかし、小説業界の偉い人々(誰やねん)はこう思っているに違いない。
「だから、小説投稿サイトがあるんでしょう? アマチュアがこぞって、ニッチな分野でコミュニティを作って、ただで読める。広告収入も入る。いい時代になったものだ」
というわけで。
今の小説投稿サイトの形じゃ足りないんだってことと、なんで駄目なんだろうかってことを今回次回愚痴っ……じゃなくて確認して、新しい仕組みの糧となってもらおう、といったところ。
今まさにカクヨムを使っているあなたに問おう。なぜ、どういうきっかけで、小説投稿サイトを使い始めたのかを。
今からおよそ三年前、わたくし“たかぱし”は
よくある、笑い話なんだけどね。
とある秋の夜長、本棚に差しっぱなしになっていた自分の古い原稿をなにげなく読んでみたら、これが案外面白かったわけだ。
……まあ10年も前のボツ原で、今にして思えば公募に通らない理由もはっきり見える、そういうやつである。
が、笑っちゃうほど、面白かった。そして、思い入れもある原稿だった。
ピキーン! と閃いた。
広いネットの世界なら、これがぶっ刺さる人もいるのでは!?
即カクヨムへ登録し公開した。
笑ってくれる人との出会いを夢見て。
そして半年もしないうちに。
サイトへ掲載しただけで読んでもらえるわけではない。
読んでくれる人が少なければ、面白いと思ってくれる人と出会える確率も低い。
ということを思い知るのであった。
よくある話だ(笑)
小説を読みたくてサイトへ来たという人もいるだろう。それから投稿も始めたという人もいるだろう。
みんな自分の面白いを抱えてカクヨムをうろうろしている。
もちろんカクヨムで面白い(語彙が面白いしかなくってゴメン)小説を読んでいる。ランキング上位に並ぶ作品も(全部じゃないけど)楽しめる。いわゆる流行りものも楽しい。
けれども。
ただ“面白いもん”が読みたいんじゃない。“ぶっ刺さってくるもん”が読みたい。
たくさんの“誰かにとって” “面白い” “良い” “力作”が日の目も見ずにとうとう埋もれている。と思うのだ。
「web小説投稿サイトに飛び込んでみれば、良作を見つけることなんて砂漠で一粒の砂金を探すようなもんだろ。
探して当たりの打率がものすげー低いところに、みんな、どれほどの時間を割くだろうか」
これは、作者にとっても読者にとっても、そして小説業界にとっても、とてももったいないことだ。
ただ埋もれて、探し出すのに苦労するというだけの話なら、まだいい。
“読まれない” “評価されない”が、つまり“その作品には価値がない”と言われたも同然で。面白いと信じて書いた作者も、面白いと思って応援した読者も、心をへし折られていく。
「その作品にどれほどの価値があるかを決めるのは、俺ではなく、世間なのかなと思った時、・・・やはりどうするべきなのかが分からない」
他者からの評価は重要だ。が、決して公平に与えられているわけではない評価が、価値の全てになってしまっていないか?
小説投稿サイトでは、読まれるためにすべきとされている技法もいろいろ、ある。
もちろん、読まれるための努力は大切だ。できることはする。小説は他者が読むものだから、ときに読み手のことを考えなければならない。
でも、その“技法”や“努力”が、自分の小説の本質を曲げるものだとしたら。曲げるべきなのか?
その“技法”や“努力”が小説以外の部分の宣伝・営業・人脈だとしたら。そこに力を注げない作者は駄目なのか?
人によって出す答えは違うと思う。
なにをどの程度どうするか、それを決めるのは本人だ。
けれど、そうして形成された今の小説投稿サイトの状況を、私はこう感じる。
「小説投稿サイトのいいところって、ニッチな(商業では絶対利益出ないから発表できないような)作品も発表できて、かつほんの僅かなニッチ趣味の読者が読めること、のはずだったと思うんだ。
ところがどっこい、蓋を開けてみたら広くみんなに受けてランキングを上がれる作品しか生きていけない、みたいな状況になってる。
これじゃあ商業出版界の劣化版焼き直しだよな。意味がない」
小説投稿サイトで人気を得た作品を書籍化、商業出版。その流れはいい。なんとも夢のある話だ。
けど。商業出版されるための作品ばかりが陽を浴びるなら、そのサイトはただの
(KADOKAWA運営のカクヨムはそれでいいと思っているかもしれない。
がんばってプロ編集のお眼鏡にかなう作品を拾って頂きたいところだ。上澄みを掬うだけじゃなくて)
そういう作品があっていい。
でも、そういう作品ばっかじゃ楽しくない。ってか、それなら本屋でプロの本を買う。
そうじゃない作品も気持ちよく生きられなければ、意味がない。
なぜ、こうなのか。
どうすれば、良くなるのか。
愚痴っているだけじゃなく、考えなければならない。
(といって別に本稿はカクヨムを良くしよう!みたいな志はなく、新しい仕組みの踏み台にする気満々である。カクヨムはカクヨムで末永く繁栄していただきたい)
考えるために。
最後にぶっちゃけた質問をしよう。
カクヨム(あ、名指しにしちゃった!)じゃなくて、多くの小説投稿サイトでは、評価や人気を集計してランキング化することで、おのずと良作がピックアップされるシステムである。
今のカクヨム。
あなたが心底すばらしいと思う小説、読みたいと願う小説は、ランキング上位に並んでいますか?
みんなの選んだ人気ランキングなんだから。
「並んでるよ」
って声が多数になるはずなのだ。
※※以下、テスト※※
No,01 名無し
ランキングがカクヨムでの評価でしかないことは、ランキングにのった作品が書籍化された後の"悲劇"を綴った自身のエッセイが、カクヨムに掲載されてますよね。
にもかかわらず、相変わらずカクヨム運営は
「自身で宣伝してください。その中で躍進したを拾い上げ、プロデュースします」
という姿勢です。(これはKADOKAWAの編集者様自身がyoutubeで語っています)
ランキングの中しか評価しないという姿勢を、運営自身が作り出している。
そして、それを書籍化することの"悲劇"が、そのランキングが当てにならない、現実の需要からはかけ離れていることを物語っているのではないでしょうか。
もちろん、当たる作品を出すなどというのは、いろいろな要素が絡むと思うし、数撃って当ててみないといけないというのが実際のところなのでしょうが、少なくともカクヨムで"人気"となっている作品のランキングは時代を引っ張っていこうとするためのものではなく、時代に追随していくためのものであるという印象を、私は受けます。
本稿にあるように、追随がいけないわけじゃない。売れればそれでいいのですが、そうではないチャンネルが欲しいですよね。目の肥えた読者としては。
そして、そういう作品の中にこそ、次代を牽引する作品が埋もれているんじゃないかと思うばかりです。(読み流していただいて結構です)
No,02 管理人
>01
もしランキングと実際の“当たり”とに差異があるのなら、「なぜそうなるのか」が重要な問題だと思います。
が。
本当に差異はあるのか?
あると思っている人間は少数なのではないか?
どういう人が差異を感じるのか?
あたりのデータがないと、理由を考えても推測どころか妄想にしかならないな、と思いました。
というわけで、今回の話は二日ほど公開すべきか悩んでハゲそうになったのですが、あえてお尋ねしました。
が、ここで聞いても必要数が集まらないんだぜ!
どうすりゃいいんだ!?
自主企画で流行ってた「10の質問」みたいにぶったててみます?
No,03 名無し
>02
意図によるかと。
個人的には、ここでランカーとなってプロを目指すヒトはこのエッセイの主旨とは離れる気がするので、アンケート自体はそれほど重要な意味は持たないのかもとは思います。(もちろん、このエッセイを、その集計を元に展開していくなら重要)
いっそのこと「ランキングでプロを目指さないプロ志望の方に読んで欲しいエッセイ募集」というサバの味噌戦法に出てみるのもアリかもしれませんね。
それか「ランキングでプロを目指さないプロ志望の作品募集」で集まった筆者に声をかけてみるか(←草の根活動、めんどくさいやつ)
No,04 管理人
>03
>ランキングでプロを目指さないプロ志望
について。
現在イメージしてる対象↑は「インディーズ」。
小説投稿サイトへの投稿は「路上ライブ」。
出版社による商業出版は「メジャーデビュー」。
小説におけるインディーズ層をより活性化する、それがババアシステム。
……という感覚でいるが、どうだろう。
ランキングに関しては、おおまかにこんな感じで考えている。
1)ランキングと理想が乖離している人の方が多い場合
→評価システムに問題がある
2)ランキングと理想が一致している人の方が多い場合
→読者層・作家性の違い(フィールド違い)
※web小説と商業小説とでは求めるものが違う
まだ理詰めしてないんで、ツッコミ募集中。
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