第7話 気持ちを汲んだら飲んでくれないか?

「まだ手の震えが止まらない、実況の長谷部美玲です」


怒りは後からやってくる、今になってミッチのグーにムカムカしている

アテクシは解説の桂木奈帆です!

さっそくですが、ガチですね?美玲さん


「そうみたいですね、顔と口が上手く動きませんでした

もっと、他に言いたいことがあるのに頭の中も動かなくて

…って、おっと、これはすごいです!

さっそくキラちゃんの大活躍で男子勢、敵も味方も引いてますね」


本当ですね、そして気のせいか、味方チームのミッチに体当たりです

これはもしかして新手のスキンシップかなぁ?


「いえ、そのあと足を踏みつけていたのでファウルだと思うのですが

味方だからいいのでしょうか?」


元々、キラちゃんのプレーは夢中になってしまうから故意ではないと、

先生も微妙な顔をしていますが、迷っているうちにどんどん進むので

見逃されて普段からいつも怪しいのですが、今日のは故意ですね

ふふ、恋じゃなくて故意、なんつって!

一方のミッチは精彩に欠けて見えますね


「多分、この後の言い訳を考えているのかもしれませんね。

私、あのたった一度の出来事をこの1週間多分何百回も繰り返し思い出してます

つまり、何百回も目撃して、その度にたくさん考えていたのですよ」


えぇ、わかります。


「本当にね、いっぱい考えていて、その中にあるひとつがキラちゃんの香りに興味があった、ということだけど、これには私がキラちゃんはいつもいい匂いがするの、と話していたから好奇心でああいう行動したのかなぁ?と思った」


美玲さんが話題にしていたから、ということ?


「うん、それでね、この後に私がもう少し責めてみるから

もしも、その時の言い訳が、もうじき私の誕生日だけど、

ミッチにはいい香りのするパヒュームを頼んだんだよね

それを引き合いに出されたら、私はどうしよう?

私、思い出したの、キラちゃんの香りと同じのが欲しいって」


ウ〜〜ン?

おっと!キラちゃんがミッチにありえないスピードの顔面パスを決めました!

もうそろそろ交代の時間ですが、美玲さん大丈夫でしょうか?


お疲れ様でした、キラちゃん大活躍でしたね!

「ありがとうございます。ちょっとスッキリしてきました」

さぁ、ミッチが美玲さんの方に真っ直ぐ来ましたよ

美玲さんがさっきとは違って体育座りのままです

 

ミッチ「さっきの続きだけど、」


ミッチ、ストレートに先手攻撃した!


美玲「そのことだけど…」


ミッチ「ねぇ、俺ってこの先女の子に親切にしたらダメなの?」


うわー、美玲さんが話し始める途中でしたが、ミッチが畳み掛けますね!


ミッチ「ちょっと女の子に話しかけたぐらいのことで

一週間も無視されてさ、なんなの?ヤキモチなら異常だと思う」


あれれ?冷静なミッチのイメージが崩れてきました?

そして、先程の美玲さんの推理はどうなるのでしょうか?


美玲「ちょっと私、自惚れてたみたい。恥ずかしいな、でも

そんなことを言っていられない感じになってしまったよ」






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