第6話 怒ると怖いのは男?女?

体育が始まってすぐ、アテクシと美玲さんが端っこで並んで

体育座りしていた時です

いきなり頭上に硬いものが落ちてきて悲鳴を上げました!

そして見上げた先には、なんとミッチが睨んでいました

その両手は握りしめたグーです!

それをアテクシ達に振り落としたのでした!

………と言うわけで、ここからは実況&解説のアテクシと

スペシャルゲストのキラちゃんにお越し頂きました!(拍手)


「よろしくお願いします」


こちらこそです

さっそくですが、キラちゃんはナイスプレーでしたよ

この数日間、ミッチへの眼差しもさりげないボディタッチも

アテクシ達はヒーヒー言いながら見ておりましたが

なんといっても授業のバスケに男女混合チームを提案した件は最優秀賞ですね


「そうですか?私としては、女子なら知ってても男子は誰もわかってくれない

私の正体を、どうやって示したらいいかと考えただけです」


確かにそうですね

普段はアイドル的な振る舞いですがバスケでは変貌しますからねぇ

体当たりはもちろん、引っ掻く癖を反省してわざわざ深爪にしているという

噂を聞いたことがありますが、本当に?


「よくご存知で!笑

バスケに限らず、勝負事になると見境ない性格なのです

でも、勝ち負けの結果じゃなくて、その行程にこだわるのです」


…なるほどね、だから今回の件が発生してしまったわけですね!


「まぁ、そういうことになるのかな?

でも、ひとつ言いたいことがあります、私の袖口をミッチが払った時、

あの時に赤面したのは、チョークの粉をつけても気付けなかったことと、

払ってもらった場面をミッチの彼女の美玲さんがバッチリ目撃していて

その時の表情が脳裏に焼き付いてしまったからなのです」


ん?どういう事ですか?


「ミッチがなぜか、お母さんが小さな子供の世話するみたいな変な接触をして

その場面を瞬きもしないで、ただ呆然と見ていた美玲さんの目に私がどう見えていたのか?そんなあれこれを想像しているうちに、恥ずかしくて…」


つまりは動揺してしまったけど、それはミッチにときめいたわけではない?


「あ、それはないです。彼女持ちは眼中にないので!」


でしょうね、キラちゃんは美少女だけど性格は男前ですなぁ〜

…なんて言っている間に動きがありましたね!

ミッチと美玲さんが向き合い鏡写しみたいに同じポーズで腕を組んでいます。


ミッチ「おまえさ、なんでずっと機嫌悪くて話もしないの?」


聞きましたか?キラちゃん!ミッチが何かほざいてますが?

「なんでしょうね?もしかしてこの2人、チョーク払った日から冷戦ですか?」


ミッチ「…チョーク?なにそれ?学校ではずっと桂木とコソコソしてるし

三浦がそれに乗っかって変だし、電話しても無視 LINEも無視、なんで?」


美玲「チョークの件、忘れたの?だったら蒸し返そうか?

同じ日直だからって、袖口に付いたチョークの粉をわざわざ見つけて

更に払ってあげた理由が知りたかったけど、怖くて聞けなかったよ」


ミッチ「そんなの、ただ三浦に親切にしただけだろ」


美玲「袖口汚れてるよ、それだけでいいじゃん!

キラちゃんに近寄って袖口の汚れ落とす必要までないよね」


あー!いいところでホイッスル…選手交代です

「じゃ、私も行ってきますよ!」

キラちゃん、健闘を祈ります、いつになく野生的な目付きで行きました!





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