第4話 好きの気持ちは愛《エゴ》?愛《かけがえ》?

「おはようございます!解説の奈帆さん」


おはようございます!!実況の美玲さん


「あれから何の進展もないままですよ、ミッチがキラちゃんの袖口を掴み

ポンポンとチョークの粉を払い、キラちゃんが頬を染める!それだけです」


えぇ、この土日は会えない2日間でしたので、心情的にはどうでしょうか?

ちなみにアテクシ、彼とは会話も心もすれ違いが甚だしい状態です!


「あれれ、まだ続いているのですね?失礼な出来事婆に半笑いが…

と、ところで美玲さん、あなたにはあなたとは似てない恋愛体質のお姉様が

いますが、昨日の午後、お見かけしましたよ」


美玲さんとアテクシはご近所さんですからね、改めて報告されても…


「泣きながら走る車追いかけていましたよ」

ハハ〜(突然、机にひれ伏す奈帆)

「裸足で」

ハハ〜(美玲にそっと手を合わせる)

「車はスピードを上げて去りました」

ハハ〜(立ち上がり頭を下げる)


玄関前に姉のヒールを並べて置いてくれたのは美玲さんでしたか!


「最初から見逃せなかったもので走り出した時、裸足だったから

戻って探して、それで一緒に追いかけてみましたが、モロ無理でした

あなたのお姉様は最初はご機嫌な様子で中学校下の長いカーブを

歩いていましたが、ゆっくりきた対向車とすれ違う瞬間には、

もう追いかけていましたね。顔の表情は車を見た瞬間に驚いたように

目を見開いたままです。この解説をお願いしても?」


えぇ、呆然自失の姉のヒールを救ってくれた恩人がわかりましたので

お礼代わりに申しますと、その車は昨日の姉のデート相手です

おそらく姉を迎えに来る途中でタイプの女を見つけてナンパに成功して

そのまま姉と予定していたはずだったデートコースを巡ったのでしょうね。


「ああ、やはりご存知でしたか、助手席にどう見ても女性らしき姿の人が

いたことを。もしや、と思い黙っていたのですが」


お気遣いありがとうございます

姉は呆然自失ながら、ポツポツと戯言を述べながらも状況を

把握してました。

今朝もいつも通りちゃんと起きて身支度して仕事行きましたよ

帰ってからまた泣くのでしょうけど

アテクシ、そういう合理的な姉が好きかも。


「あ!いつの間にかキラちゃんとミッチが席に着いている」


おっと!つい脱線してしまいましたね

でも、どうせ何の進展もないでしょうけど?

 

「ギャラリー(若干数)が、姉ちゃんの彼氏の話しをもっとして、と

懇願してますが?」


笑笑。






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