第17話 長官の仕事
事務所に着くと、長官が1人でコーピーを飲んでいた。
長官:「利子さん、そちらの方は?」
古田母:「古田と申します。実は、ご相談があって伺いました。」
長官:「どうぞ、お座りください。」
全員が座り、私が代表で、内容を話すこととなった。
私:「織部ローのお母さんが、織部ズムを抜けて、利休派になろうとしています。でも、具体的に何をすれば良いかわからないので、長官に相談しに来ました。」
長官:「なるほど、ありがとう利子さん。それと古田さん、よく決心してくださいました。織部ズムの組織から抜けることは可能です。ただ、2ヶ月間程、生活費の入らない時期ができます。その後の生活は、保障できるのですが、問題ないでしょうか。」
古田母:「夫が単身赴任で、サラリーマンをしています。2ヶ月なら問題ありません。」
長官:「では、こちらの書類を確認ください。弁護士をご紹介します。」
高山:「その書類は、なんの書類ですか?」
長官:「中途解約や商品の返品方法、クーリングオフの仕方などを書いてある書類だよ。古田さんのお店は、ついこの間オープンしたばかりだから、無条件で契約解除できるクーリングオフという方法が有効なんだ。ただ、手続きに少し時間がかかってね。それと、次の仕事の斡旋だ。」
高山:「次の仕事?」
長官:「利休派は、日本各地の窯元と契約があって、それら和物の食器類を直接仕入れることができるんだ。その卸元になってもらう。もちろん、利休派ではマージンを取らない。」
横から、秘書が突然現れた。
秘書:「卸元がイヤな場合は、ハローワークをご紹介します。」
長官:「ああ、お帰り秘書さん。そうだね、ハローワークもあったね。」
私:「マージン?ハローワーク?」
高山:「マージンは利益の一部をもらうこと、ハローワークは仕事を紹介してくれる国の機関よ。」
私:「つまり、長官が紹介する仕事だと、お金は全額、古田さんの家に入るわけだ!」
古田姉:「お母さん、絶対これだよ!」
古田母:「ありがとうございます。ありがとうございます。」
蒲生:「これでハッピーエンドだね。」
私:「そうだね。」
長官、古田母、古田姉は、難しい手続きの話を始めた。
私、蒲生さん、高山さんは、ニコニコしながら、家に帰る準備をしていた。
秘書:「お疲れ様、利子さん、蒲生さん、高山さん。あなた達は、日本にとって、とても大きな仕事をしたのよ。これは利休派にとって、3年ぶりの勝利なの。」
私:「3年ぶり?」
秘書:「長官が大阪の堺市に出向いて話し合った件以来。まあ、その話はいつか長官から聞いてね。さあ、だいぶ遅くなったようだから、みんなの家まで送るわ。」
私:「お願いします。さあ帰ろう、蒲生さん、高山さん。」
高山さんを家に送った後、蒲生さんの家の前に着いた。
秘書:「では、蒲生さん、おやすみなさい。」
蒲生:「おやすみなさい。利子ちゃんもおやすみなさい。」
私:「うん、おやすみ蒲生さん。」
秘書:「利子さんの家は、この近くだったわね。」
私:「はい。一人で帰れるので、ここでさよならします。」
秘書:「そう、気を付けてね。おやすみなさい。」
私:「はい、おやすみなさい。」
そして、家の前で事件が起きた。
誰?:「おまえが利子だな?」
私:「え~と、どちら様でしょうか。」
誰?:「おとなしく付いてこい、このナイフが見えるな?」
私:「はい。」
どうなる私!
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