第12話 仲間たちの決意

放課後、細川さんが芝山先輩と瀬田先輩を連れて、いつもの屋上にやってきた。


芝山:「細川さんから話は聞いたよ。僕も一緒に利休派の戦いに参加するよ。」


瀬田:「俺もいいよ。面白そうだし。」


私:「ありがとうございます。先輩方。」


高山:「あとは、茶道部の牧村先輩ね。」


瀬田:「ん?牧村に会いに行くのかい。なら俺も一緒に行くよ。同じクラスだし。」


私を含め、7人でぞろぞろと茶室に入り、私と牧村先輩が話し合いを始めた。


牧村:「利子さん、この団体はなんの集まりかしら?」


私:「これは利休派の集まりです。千利休の逸話を世の中に広め、日本人におもてなしの心を思い出させる活動をします。牧村先輩、ぜひ私達と一緒に、おもてなしの心を広げていきませんか?」


牧村はちらっと瀬田先輩を見てからこう言った。


牧村:「素晴らしいわ!ぜひ参加させてもらいます。良いかしら、瀬田君。」


瀬田:「もちろん俺は構わないよ。利子ちゃんも良いかな?」


私:「はい。ありがとうございます、牧村先輩。」


蒲生:「恋の匂いがする。」


古田:「えっ、ほんと?どこどこ?」


高山:「蒲生さん、古田さん、今は、お願いだから黙っていて。」


私:「全員揃ったよ、高山さん。」


高山:「では、古ちゃんのお姉さんを落とすための作戦を説明します。良いでしょうか?」


細川:「もちろん良くてよ。ねぇ、芝山君。」


芝山:「瀬田もいいよな?」


瀬田:「俺はいつでもいいぜ。牧村、ここ借りても良いか?」


牧村:「もちろんです、瀬田君。ぜひぜひ和室を使ってください。部のみなさん、今日は自主稽古にします。質問がある人は、明日、まとめて私に質問してください。」


茶道部員は、それぞれ自分のやりたいことを始めた。


私達8人は、茶室の一角に集まり、作戦を練ることになった。


高山:「作戦はこうよ。まず、古ちゃんがお姉さんを茶室に呼び出します。そして、先輩方にはお姉さんが茶室で抹茶を飲む写真を撮ってもらいたいのです。広報におもてなしの心を伝える人として紹介する。」


牧村:「つまり罠に嵌めるわけね。」


瀬田:「面白そうだな。やろうぜ。」


細川:「罠に嵌めたら、うるさくないですか?それに古ちゃんの立場も悪くなりそうだけど。」


高山:「そこで、利子さんが逸話を聞かせ、おもてなしの心を説きます。お姉さんを納得させるのです。」


私:「私、やってみる。」


古田:「利子先輩がするなら、私もお姉ちゃんを説得する。」


芝山:「僕は写真を撮るよ。いいかな細川。」


細川:「ああ、牧村、茶室貸してくれ。」


牧村:「よろこんで。」


蒲生:「がんばってね、利子ちゃん。」


私:「うん。」


高山:「では決行は明日ということで、良いでしょうか。」


全員が頷き、私が音頭を取ることになった。


私:「えっと。では利休派として最初の戦い、がんばりましょう。」


全員:「がんばろう~。」


全員で右手のこぶしを高くつき上げた。


◆◆◆


現在の利子の特殊能力

 ・逸話の伝道師・初級

 ・茶道は不得手

 ・みんなのリーダー・初級(☆LVUP↑)

現在の高山の特殊能力

 ・説得力・中級

 ・燃え方・上級

 ・作戦参謀・初級(☆LVUP↑)

現在の芝山の特殊能力

 ・カッコよさピカ一

 ・白い歯が光る

 ・カメラマン・初級(☆LVUP↑)


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る