第3章 最初の戦い

第11話 利子の決意

古ちゃんを仲間にした日、高山さんと細川さんは、先に長官に会いにいった。


長官に事情を話し、古ちゃんを事務所に入れて良いかを聞くためだそうだ。


翌日、昼食の場で、高山さんと細川さんが、長官との話をした。


高山:「まず、長官は、織部ズムのボス・織部ラーの実のお兄さんだそうよ。」


私と蒲生さん、古ちゃんの3人は、みんなびっくりして弁当を落としそうになった。


細川:「つまり、日本中を巻き込む盛大な兄弟げんかということね。」


高山:「利子さん、前の事務所は放火されたんでしょ?私は、この新しい事務所も放火されないか心配したのよ。でも、もう心配ないみたい。」


私:「なぜ?」


高山:「警察沙汰になるような行為は、部下の管理ができていないと、織部ラーに、直接、文句を言ったそうよ。そして、織部ラーが、放火はさせないと明言した。」


細川:「長官と織部ラーの仲は、悪いわけではないそうよ。ただ、主義主張が違うだけみたいね。逸話で世の中におもてなしの心を広めようとする長官と、物欲を満たして世の中を幸せにしようとする織部ラーといったところかしら。」


高山:「利子さん。長官は、この兄弟げんかに関わりたくないなら、織部ラーに言って、私達に一切手出しさせないようにしてみせると宣言したわ。でも、利休派に残るなら、最後まで共に戦うとも言った。」


細川:「私も高山さんも、どちらを選ぼうが、利子さんの考えに賛同することにしましたわ。」


蒲生:「私も利子ちゃんに付いていく。どっちにしても良いよ。」


古田:「私は、利子先輩の言う通りにしようと思っていました。だ、大好きです先輩。」


私:「私は利休の逸話が大好き。だから長官に味方したいな。」


高山:「決まりね。私の考えでは、芝山先輩と瀬田先輩、それに茶道部の牧村先輩を納得させられれば、最初の織部ズムと戦う準備は整うわ。」


私:「そうなの?」


高山:「最初の標的は、芝山先輩たちと同じ3年の古ちゃんのお姉さんよ。3年生と戦うためには3年生を味方につけないといけないわ。」


高山:「利子さん、牧村先輩を説得しもらえる?」


私:「わかった、やってみる。」


細川:「では、芝山君と瀬田先輩は、私が説得いたしますわ。」


高山:「3人を仲間にしたら、古ちゃんを連れて、事務所へ行きましょう。ついに戦いが始まるわ。」


蒲生:「高山さんが燃えている!」

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