第10話 七人目の仲間

朝、学校の下駄箱に手紙が入っていた。


手紙:「放課後、校長の銅像前でお待ちしています。」


私:「なんだろう、これ?」


お昼休み、いつもの4人で、手紙について話し合いになった。


細川:「これは、ラブレターですわ。下駄箱に入れるなんて、とても古風で素敵ではなくて。」


高山:「果たし状にも見えるわね。」


蒲生:「校長の銅像ってどこにあったけ。」


私:「取り敢えず、放課後、行ってみるね。みんな、影からこっそり見ていてくれる。」


高山と細川は頷き、蒲生はニコニコ笑った。


蒲生:「利子ちゃんが行くところなら、どこへでも付いて行くね。」


私:「ありがとう、みんな。」


放課後、銅像前に現れたのは1年生の制服を着た、女の子だった。


古田:「私、1年生の古田っていいます。この前の広報を見てから、先輩のこと、好きになりました。握手してください。」


私:「ほんと!じゃあ、いっぱい握手するね。」


古田:「今度、うちに遊びに来ませんか?お姉ちゃんも待っています。」


私:「お姉ちゃん?なんで?」


古田:「あっ、お姉ちゃんの事は、口止めされていたんだった。」


私:「古田さん、何を隠しているのかな~。教えてくれない?じゃないと。脇をくすぐっちゃうよ。」


古田:「ごめんさない。実はお姉ちゃんに、利子先輩を古田家に連れてくるよう頼まれました。でも、私が利子先輩を好きになったのは本当です。信じてください。」


私:「信じるよ。古ちゃんって呼んでも良い?」


古田:「利子先輩!」


二人は抱きしめ合った。横から蒲生さん、高山さん、細川さんが出て来た。


蒲生:「よかったね、利子ちゃん。」


高山:「良くありません。古田さん、もう少し事情を聞かせてもらえるかしら。」


細川:「やはり、ラブレターでしたのね。」


高山に促され、古田はいろいろと古田家の裏事情を話した。


高山:「つまり、古田家は、あの織部焼の店を経営していて、両親とお姉さんは織部ズムに入っているということですね。古田さん、いいえ、古ちゃん。あなたはどうしたいの?」


古田:「私は、お姉ちゃんと昔みたいに仲良くしたいです。」


私:「利休の逸話があれば、それも可能だよ。だって、おもてなしの心を思い出させる魔法の話なんだから。」


古田:「利子先輩!」


私:「古ちゃん!」


高山:「はいはい、二人の世界はもう良いから、今後の事を考えましょう。まずは、織部ズムが動き出したことを、長官たちに報告しに行きましょう。」


私:「高山さん、事務所に古ちゃんも連れて行って良い?」


細川:「それはまずくありません事。場所が敵に知られてしまいますわ。」


私:「古ちゃんは、本気でお姉さんと仲直りしたがっている。だから、私は古ちゃんを信用したい。」


蒲生:「利子ちゃん、優しいね。」


高山:「古ちゃん、お姉さんに一時的に嘘をつくことになるけれど、できる?」


古田:「利子先輩に迷惑はかけたくありません。それに、お姉ちゃんと昔みたいに仲良くなるためなら、私、頑張ります。」


私:「古ちゃん!」


古田:「利子先輩!」


二人はがっしり抱き合い、蒲生さん、高山さん、細川さんは笑顔で見守っていた。


古ちゃんが仲間になった。


◆◆◆


現在の古田の特殊能力

 ・利子先輩への愛・超上級


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