第9話 茶道部部長の牧村先輩

しばらくして、広報に利休の特集が組まれた。


私:「三献茶でおもてなしの心を知る。」


蒲生:「利子ちゃんの写真入りなんて、かっこいいね。」


高山:「よかったわね。利子さん。」


私:「ありがとうみんな。特に細川さんには感謝感激雨あられだよ。」


細川:「どうぞお気になさらずに。わたくしにかかれば、造作もないことよ、利子さん。」


その日の放課後、教室に茶道部部長を名乗る牧村先輩が現れた。


牧村:「利子さんの記事に興味が沸いたの、よかったら茶道部を覗いていかない。」


私:「どうしようかな?」


蒲生:「利子ちゃんのおばあちゃん、茶道の先生なんだから、行ってみようよ。」


高山:「そうなの?それは行くべきね。」


細川:「わたくしも、今後のために、茶道というものを見ておく必要がありますわね。」


私:「じゃあ、行きます。」


牧村先輩に連れられ、いつもの4人は、茶道部部室にやってきた。


そこには、茶道部の部員が10人くらい座っていた。


蒲生:「畳だ!畳の部屋だ。それに広~い。」


私:「そうだよ、蒲生さん。茶道は、畳の上でお茶を点てるんだよ。」


高山:「では一服お願いできますか。」


牧村:「高山さんは、茶道を少しご存じのようですね。」


細川:「なぜわかりますの?」


牧村:「抹茶は薬なので、服すると言います。なので、一服・二服と数えます。それを知っているようでしたので。」


高山:「以前、両親に連れられて、本格的な茶会に2・3度出席したことがあったもので。」


牧村:「なるほど、それで。」


蒲生:「利子ちゃん、茶会ってなぁに?」


私:「ご飯とかお菓子とかを食べて、抹茶を飲む集まりのことだよ。」


蒲生:「へぇ~、すごいんだね。」


牧村:「利子さん、できればうちの部員にも、直接、利休の逸話を聞かせてほしいのだけど、良いかしら?」


私:「わかりました。がんばります。」


私は、みんなの前で、いつもの三献茶の話をした。


牧村:「ありがとう利子さん。皆さん、これが本当のおもてなしの心です。茶道部はおもてなしの心を養いたいの。みんな、私に付いて来てくれる?」


茶道部の部員は、それぞれ納得した感じで、みんな笑顔になっていた。


牧村:「利子さん、新聞部の後で良いから、毎月1回、ここで逸話を話してくれない?」


私:「高山さん、やってみても良い?」


高山:「私も手伝うから、やってみましょう。」


私:「わかった。牧村先輩、私、やってみます。」


牧村:「ありがとう利子さん。毎月の楽しみが増えたわ。」


高山:「細川さん、牧村先輩も事務所に呼んではどうかしら。」


細川:「そうですわね、そういたしましょう。牧村先輩、ちょっとこちらへ。」


細川さんと牧村先輩は、部屋の奥の方で、こそこそと話をはじめた。


しばらくして、細川さんと一緒に牧村先輩が、私達の前に戻ってきた。


牧村:「高山さん、私も参加させていただきます。利子さん、利休派というのを一緒に盛り上げていきましょうね。」


私:「はい。よろしくお願いします。」

牧村先輩が仲間になった。


◆◆◆


現在の牧村の特殊能力

 ・茶道の資格・中級



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