悪魔のような友達

「うう……さっぶ……」


震えるような寒さの12月。

自然と早まる足で俺は学校に向かっている。


でも、なんだかんだ言って鈴は優しいんだよなぁ。

ちゃーんとマフラーと手袋用意してくれて本当可愛いんだから。


そっとマフラーに触れると寒さで強ばっている表情が解凍されたように綻んでくる。


「うへ、うへ、うへへ」

「朝から気持ち悪いな。颯太」

「朝からきっしょいね颯太!」


後ろから両肩とメンタルを叩かれながら2人の人物が横に並ぶ。

1人はギラッギラの銀髪で明らかにモテそう、でもヤンキー面の神崎(かんざき)響也(きょうや)。

もう1人は小柄で紫に赤メッシュの派手髪なツインテールの少女。高野(こうの)佳奈(かな)。

2人は俺の友達だ。

こういう系の話はぼっちとか陰キャが多いだろうが、実は俺はクラスの中では不良という位置に属している。

意外だろ? 俺もなんでこうなったのか覚えてない。


まぁ、それはさておいて、今日はいろんなバリエーションの気持ち悪いを聞くな。


「なぁ、俺ってそんな気持ち悪い?」


歩きながら自分の顔を指さして聞くと2人とも同時に頷いた。


「まじか!」


「特に最近は常にニヤけてるから余計気持ち悪い!」

「うんうん。そんなんだから鈴と付き合えないんだぜ?」

「ぐはっ!!」


今の言葉はかなりの大ダメージだぞ。おふたりさん。


俺は胸を抑えながら倒れ込むが2人は無慈悲にもどんどん先に進んでいく。


訂正。こいつらは友達じゃない。悪魔だ。

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