この人は俺の彼女(になる予定)です!

佐久山

今日も今日とて可愛い

ーーピピピピ。


「そ……に……おきな……く……よ」


朝。けたたましいアラーム音と小鳥のさえずりのような声が合わさって脳が目覚めるべきか寝るべきかと混乱する中、俺はなんとか目をこじ開けた。


「やっと起きた。早く行かないと遅刻するよ?」


目の前にいるのはブレザーの制服を着た黒髪ボブで小動物のようにクリクリした瞳をした誰が見ても可愛いと絶賛するであろう美女がいる。


「あー。今日も可愛いな。鈴(すず)」


俺がふっと微笑みながら告げると彼女は頬を紅潮させたかと思ったらクリクリのお目目がだんだん細くなっていく。


「まじキモイ。もう行くから」


目が覚めるくらい冷めきった声でそれだけ言い放ち彼女は学校へ向かうべく家から出ていった。


そんな照れることないのによ〜。


俺は冬眠明けのクマの如くのそのそと起き上がり学校へ行く身支度をはじめた。


自己紹介が遅れた。

俺の名前は木下(きした)颯太(そうた)。高校2年。好きな食べ物はオクラ。嫌いな食べ物はピーマンのごく普通の高校生。


そして、先程の絶世の美女は児上(こうえ)鈴(すず)。俺と同い年。

好きな食べ物はお饅頭。嫌いな食べ物はしいたけ。

彼女と俺は義理の兄妹であり鈴は俺の彼女(になる予定)だ!


もう一度言う。


鈴は俺の彼女(になる予定)だ!



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