第44話:宮入の友情で下村がホスピスへ

 2016年11月4日から16日たった11月21日、宮入は、泉堂さんに言わずに、一人で、有明病院へ午後1時に行き、下村に、3か月間は、入院で切るが、それ以上連続して入院できないかもしれないと伝えると具体的いつまでと聞かれ2月には、退院するしかないと告げた。


 この病院にホスピスが、あると聞いたので、入院の手続きをとってくれないかと言い、病院の清算も頼めるかと聞くので、受付に電話するとクレジットカード精算できると言われ入院患者さんは、月末に一括支払いと言われて、下村に伝えた。


 ホスピスへの移行について担当の先生に聞いてくれないかと言うのでナースステーションに行き相沢先生と話がしたいので予定を聞いて欲しいと伝えた。すると15時から15分なら時間を空けられると言ったので、どこで待ったらよいか聞くと正面玄関前の待合室で待って欲しいと言われた。


正面玄関前のソファーで、待った。すると15時過ぎ、相沢先生が来て、外来の横の控室へ行き、雇用県はと聞くので、3か月以上、入院できませんよねと聞くと、その通りと言った。そこで2月から下村が、緩和ケア病棟に入院したいと希望してると伝えた。


 すると2月から緩和ケア病棟に入院できるかという事ですねと言われ、そうですと答えると可能であり私もの、その方が良いと思いますと言ってくれた。その手続きを始めて良いのですかと聞くので、お願いしますと言うと了解しましたと言ってくれた。以上ですと言うと、それでは失礼と言い去っていった。


 この話を電話で下村にすると、お礼を言われた。それでは、年末前に泉堂さんと一緒に来ますと言い、宮入は、病院を出た。そして12月26日、泉堂さんと一緒に有明病院の下村の部屋で面会した。最近、痛みが激しくなってねと下村が言った。


 そういえば、少しやせたかしらと、泉堂さんが言った。そうなんだよ、5キロも痩せえたと答えた。そして下村が、2月からこの病院の緩和ケア病棟に転院するんだと告げた。それを聞いて、ここは、良い環境だから、良かったわねと言った。


 すい臓の全摘手術は、しないのと聞くと、手術しても3年持つかどうかであり、その間も、この痛みと戦わなければならないし回復の見込みは、まずないと言った。だから意味なく、苦しむのは嫌だと言い切った。それで本当の良いのと泉堂さんが聞くと、そうだよと笑顔で答えた。


 その姿を見て、泉堂さんは、下村のやつれた顔を見て、目頭を押さえた。すると、泣くなよ、むしろ喜んでくれよと、話しかけた。下村さんって、本当に強い人なのねと言い、今まで無理して頑張り過ぎただけで、本当は、弱虫なんだと、静かに語った。


 わかったわ、また、1回でも多く、会いに来ますと泉堂さんが言うと、耐え切れず、下村の目にも涙が浮かび、流れ落ちた。体にさわるといけないから、ジャーこれで帰りますと言い、宮入と泉堂さんは、病室を後にした。その姿を目で追う姿を見ると宮入もジーンとしてきた。


 17時に、京王永山で降りて宮入と泉堂さんが、酒を飲みながら居酒屋で夕食を食べた。その時、泉堂さんが、私も、なんだか、踏ん切りがついた気がしますと語った。下村さんが生きてる間に、恩を返していきましょうねと、話した。やっと悟ったねと宮入が言うと仕方ないでしょと言った。


 次回は、2017年1月末か、2月初旬、今の病室から、緩和ケアの病室に移動したときに面会に行こうと言った。了解ですと、おどけて泉堂さんが敬礼した。そして、2016年が終わり2017年を迎えた。宮入が吉沢さんと泉堂さんの3人で八王子の有名な神社に初詣に出かけた。


 その帰り、八王子の駅近くで3人で酒を飲みながら夕食をとった。その時、吉沢さんが、下村さんはと聞くので、健診でがんが見つかり、がん研究所付属有明病院に入院してると言うと何で教えてくれないのと言った。そこで下村が、黙ってろと言うからさと答えた。


 状況はと聞くので2月から緩和ケア病室に移ると言うと死を受け入れたって訳なのと驚いた。そんなに悪いのと聞くので、すい臓がんと教えると、ついてないわねと言い、私の以前の旦那のお父さんが、すい臓がんで手の施しようがなく亡くなったと話した。

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