第42話:泉堂が、下村の病状を聞きショックを受ける
その時、彼女の鳴き声が聞こえ、そんな、ひどいわ、あんまりだわと言う声が聞こえた。看護婦さんが冷静に、鎮静剤を用意してと言う声が、聞こえた。宮入が、手術できない時、緩和ケアする場合、どの位、もちそうですかと聞くと3か月、良くて半年と静かに言った。
わかりましたと言い、もちろん、患者さんに、手術の選択の自由は、あるのですねと聞くと、もちろんありますと、話した。わかりました。これで、説明は終わりですが、よろしいですかと聞くので、結構ですと宮入が答えて、それでは、失礼しますと相沢先生が部屋を去った。
看護婦さんに、今日、下村に、面会していけますかと聞くと、短時間でしたら、大丈夫ですよと言われた。さっきの女性も面会できますかと聞くと、看護婦さんが、面会されない方が良いと思いますよと言った。患者さんにとっても彼女にとっても良いとは思えませんと言い切った。
わかりまして、私だけ面会していきますので、いつまで待つかと言うと、今なら、夕食前ですから10分程度で、お願いしますと言われ、連れて行ってもらえますかと言うと、了解しましたと言い、エレベーターで、上がり、病室に入り、宮入が、下村に会うと、よう来たかと笑顔になった。
先生から、状況は聞いた。できるだけの事は、してやると言うと、お前ってやつは、ほんとに優しい奴だなと、目頭を押さえた。宮入が、手術して、苦しいでも頑張って生き抜きたいかと直接、質問すると、首を振って、そんなに、無理したくないよ薄笑いを浮かべた。
幸い、がん保険に、入ってるから非常的な問題はない。あとの事も、お前なら信じて託せそうだと言った。できるだけのことは、させてもらう覚悟はできてると言い、思わず、下村の手を握りしめ涙を流した。ありがとう、本当に助かる宜しくなと言った。
詳しいことは、お前に、メールで送ると言った。だから宜しくなと言うと、宮入が、俺から言うことはこれだけだと言い、泉堂さんも来たが、あまりのショックで倒れ、他の病室で休んでると言うと、彼女も真面目だからなと言い、俺が礼を言ってたと伝えてくれと言った。
じゃー、頑張ってなと言い、俺は、これで帰るが、欲しいものなどもメールで送れと言い、病室を出た。1階の受付の前で、待っていると15分位で顔色が戻った泉堂さんが、やってきた。ごめんね、興奮しちゃってと謝った。下村に会ったと言い君に宜しくと言っていたと伝えた。
すると可愛そうな下村君、何とか回復してもらいたいものねと言い涙をふいた。それじゃー帰ろうかと言い、列車に乗って、19時頃、京王永山駅に着くと、ちょっと、お酒付き合ってくださらないと言われ了解した。そして駅近くの居酒屋の4人掛けのテーブル席に向かい合い座った。
そして、熱燗もらって良いでしょと言い、どうぞと言われ、焼き魚、鳥のから揚げ、湯豆腐、麻婆豆腐、刺身、タコぶつを注文して飲み始めた。宮入が、下村、がん保険に入っていると話していたと言い、友達に見守られて、幸せだと言っていたと言うと泉堂さんが、突っ伏して泣いた。
下村さんて、子供のままね、駄々っ子で泣き虫で、強がりで、弱い人と言った。宮入君とは、反対の性格かもしれないねと言った。今日は、飲んで、いろんな事をしゃべるわよと言った。中学時代、下村さんに、将来、俺の女になれとか、くどかれた。
その時、田舎の名家のドラ息子なんて興味がないと、言ったのよ。彼、ずいぶん驚いた様な顔をしたわ。その点、都会、出身のスマートな宮入君の方が良いと言ってやったわ。でも、彼は、最初、都会のもやしっ子に負けてたまるかと言い東大に入って宮入を見返したやると凄んだ。
でも、最終的には、東京の大学か、信州大学かを決める時、挑戦よりも自分の保身をはかり信州大学を選んだわ。結局、弱虫だったと思い馬鹿にしたわ。でも、今、考えると、東京に大学に入ると、故郷を捨てて、逃げるような気持だったかもしれないと思い返すのよと言った。
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