第39話:横浜の散歩と橋本のカフェで歓談

 やがて泣き疲れ、いつの間にか夢の中へ。翌朝8時には、起きて、9時に、ホテルをチェックアウトして、タクシーで有明病院へ向かい、9時半前に到着し、特別ガン検診の受付を済ました。10時前に、下村が呼ばれると、じゃーなと宮入と握手した。明日、16時過ぎ、また迎えに来るからなと言った。


 そして、その後、急に、横浜に行きたくない、国際展示場駅から、りんかい線で、大崎に行き、湘南新宿線に乗り換え横浜駅へ行き、横浜中華街駅に11時過ぎに到着した。その後、中華街の駅から近い、北京飯店でランチを食べた。その後、山下公園をぶらついた。


 海沿いのベンチで腰掛け、女房の死から辰野のホタル祭りに行った時の思い出、諏訪の温泉の風景、松本城などが、走馬燈のように頭の中を駆け巡った。しばらく物思いにふけり、やがて、みなとの見える丘公園に向かって歩き始めた。約20分後、到着し、秋のバラを眺め、臭いをかいだ。


 30分以上、散策して、小腹が空いた時、外人墓地が、急に見たくなり歩いて数分の外人墓地に入った。中に入ると緑の芝と十字架の墓標が目に入った。そして、俺たちも、やがて、こうやって、葬られるのかと思うと、最後は、きりっと締めて死にたいという気持ちがこみあげた。


 そのためには、生きてる間にやりたい事を残さない事が、一番重要だと感じた。そして、1人でお茶して、考えをまとめようと、外人墓地の道の向こうの山手十番館に入った。そして、珈琲とプリンアラモードのセットを注文した。


 料理が運ばれると、それは、ガラスの器の上に乗って、真ん中にプリンがありアイスクリームとチェリーの乗った生クリームに挟まれ、そのまわりにフルーツがちりばめられたデザートだった。まず、フルーツを食べて、珈琲を一口飲んで、アイスクリームを食べた。


 その後、空想と思い出の時間を楽しみながら、少しずつ、考えてると中学時代の思い出が次々と現れて来た。

なんどもっと、ゆっくりと過ごさなかったのかと回顧の念を催した。もし泉堂さんとつき合って結ばれたらとか、もし自分だけ辰野に残ったらとか考えた。


 そんな事を思い巡らすと、不思議に、その頃の友人達の顔が、次々と現れて来て驚いた。年を取ると最近の事を忘れて思い出せないが、昔の事が鮮明に思い出されると何かの本で呼んだが、全く、その通りの状態になった。でも、何とも、心地よい感じだ。


 いろんな事を考えていると、夕暮れ時になった。そこで、ポンパドールのフランスあんパン、ラスク、カレーパン、チーズパン、アップルパイ、チョコレートパン、フランスパンなど、たくさん買い込んだ。その後、泉堂さんに電話して、パン買いすぎたらあげるというと、橋本のカフェで待つと言われた。


 その後、急いで横浜線の快速で橋本駅に向かうと18時過ぎに到着すると泉堂さんが待っていて、まず、買ってきたパンを見せ、欲しいのを取って良いと言うと、喜んで、盛ってきた袋に次々と好みのパンを入れた。ポンパドールのパンて美味しいのよと言い笑顔をくれた。


 ピザセット、パスタセット注文して、一緒に夕食を食べて、下村の今までの経緯と、今回の検査の話をすると、悪い結果が出ないことを祈るだけよねと、心配そうに話した。しかし、結果は、神のみぞ知るの世界であり、我々に何もできないと言った。


 ただ、彼の要望通りにしてあげるだけだと言うと、宮入君って、本当に優しい男ねと言った。その後、ワインのボトルを頼んで、昔話などを含め、話が盛り上がった。そして、帰り際、泉堂さんが、うちに泊まって行きなさいよと、ドキッとすることを言った。


 これには、何と答えて良いか、わからず、いると、冗談よと、優しく、泉堂さんが言った。あんまりからかうなよな、俺も心臓病で、倒れるからと言うと、大笑いした。でも、そのうち、チャンスがあったら、お願いねと、甘える声で言うので、顔を赤らめた。

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