第15話:昔の思い出とホタル祭り
けれど、やっぱり、都会の忙しい生活より田舎のゆっくりとした生活の方が性に合っていると話した。さらに、まだ結婚してないってホントと聞かれ、縁がなくてねと寂しそうに語った。
こんな美人、ほおっておく何と、大阪人は見る目がないと佐藤が言った。その後、話は、続き、ビール、酒もあいた。ところで、いつまでいるのと、下村が、宮入に聞くと、明後日6月22日、東京へ帰ると言った。
その話を聞き、吉沢さんが、思わず、もう帰っちゃうのと行った。すると、今度、東京案内してあげるから何人かで遊びに来てよと宮入が言った。すると吉沢さんが、私、寂しいから行こうかなと吉沢さんが言うと周りは、シーンとなった。
と言うのも、昨年、吉沢さんの母もなくなって辰野に一人ぼっちで生活していたのをみんなが知っていたのだ。藤井君が、周りの空気を感じて、そろそろ22時になるから精算して帰ろうと言った。
帰り際、宮入が、みんな元気でやってくれよ東京に来る時は、電話してくれれば、案内するよと言って席を立った。そして、宮入は、仲間たち、1人ずつと握手をした。別れる時、吉沢さんが耳元で会えてうれしかった。
また東京で会いたいねと耳打ちした。その後、歩いて、みんなで帰った。宮入は、部屋に帰って吉沢さんの事が気になって、なかなか寝付けなくなった。中学の時、映画を見て遅くなった時、彼女の家の前で彼女が別れのキスをしたのを思い出した。
また、彼女が、中学3年の時、熱烈なラブレターが靴箱に入っていたのも思い出した。差出人が書いてなくて、誰が、出したのかと思っていたが、そのラブレターは、5月だった。
8月1日の朝、突然、吉沢さんから電話が入り、私、大阪に行くのと寂しそうに話したのを、思い出した。その無念そうな声が、今でも、耳に残っていた。きっと、あれは、彼女からのラブレターだったと感じた。
そして3時頃、眠りにつき、2014年6月21日、9時に起床。ダイニングに行くと、奥さんがあらいものをしていて、朝食は、終わったがトーストとサラダ、珈琲がありますから、食べてくださいと言われ、食べた。
昨晩、考え事をして、夜遅くまで寝れなくってと言い訳をした。気にしないでくださいと言った。今晩は、ほたる祭りを見に行くので夕食は18時半ですと言った。この日は、離れで本を読んで過ごし18時半リビングへ行き夕食をたべた。
そして、下村夫妻と3人で、家から徒歩10分ほどの辰野ほたる童謡公園へ向かうと、大勢の人が集まって、ごった返していた。その人波をかき分けながら歩いた。すると、夜道の草むらにほたるの光が、光りの筋のように、いくつも描かれる幻想な景色を眺めることができた。
10分程上流部へ行き、また、ゆっくりと戻って来ると多くの光の輪が良い雰囲気を醸し出していた。20時前には、家に戻って来て、3人で、ビールを飲みながら雑談をした後、宮入が、下村夫妻に、お礼を言った。
翌朝、7時に朝食をいただき、9時に下村家の離れを出発。辰野9時半発の列車で岡谷経由で八王子に12時に到着。自宅に12時半に帰ったが、もちろん迎える人はいない。こういう時は、実に寂しい、以前、亡き妻がいたが、今はもういない。
2014年7月18日、宮入が、下村に電話して、今年の夏は特に暑いので、また、離れを使わせてくれないかと電話した。するとOKと言ったが、今回は、7月21日から8月18日まで長めに泊まりたいと伝えた。
お茶や食事は、自分で全て自分でやるから、お願いできないだろうかと言った。下村が、俺は構わないが、奥さんにも聞いてみると言い。明晩、電話くれと言った。翌日、電話すると自炊という事であれば、全く問題ないと言われOKが出た。
前払いで28日分を支払うと言った。これに対して、あんまり気にするなと下村君が、言ってくれた。翌日から、中学時代の仲間から電話が入り、楽しみにしてると言われた。吉沢さんが、一度2人きりで会いたいと言われ、嫌とも言えず了解し7月22日10時から12時、駅近くのカフェと決めた。
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