第16話:再びの信州と宮沢さんの東京へ移住希望

 やがて2014年7月18日となり朝8時に八王子のマンションを車に乗って出発し11時半に辰野に到着。到着すると、「東京ばな奈」という最近、人気のお土産を手渡した。離れの邪魔にならない場所に車を止めた。すぐに下村に見つかり新型のプリウスかよと驚いていた。


 燃費良いのだろと聞かれ、高速使うとリッター30キロ超えるとと言うと驚いていた。下村が、自宅のインターネット様の光ファイバーのルーターの1回線を離れでも使える様にしていると言われ、今回、ノートパソコンも持参したので助かるとお礼を言った。


 この日は、離れのクーラーの前で本を読んで過ごして、途中で買ってきたパンの飲み物で昼食をとった。その晩は、駅近くの佐藤の居酒屋に行こうと考え10時頃に電話を入れておいた。そして15時頃から1時間仮眠。19時に佐藤の店に行き、夕食を食べていると、見城、藤井、吉沢が次々とやってきた。


 また来たのかと藤井が笑いながら聞くと、東京は、暑いから避暑に来たと告げた。見城が、1人じゃつまらないから来たのと言いながら席に着いた。最後に、吉沢が、寂しいから、また、私に会いに来たのと語った。何で知ったるんだよと聞くと佐藤から電話が入ったらしい。


 そこで、宮入が、農家は、忙しんじゃないのと藤井に聞くと、夏は、そうでもないと答えた。じゃー明後日4人で開田高原へ行かないかと誘った。見城が、涼しいから是非行きたいと言った。藤井、吉沢も一緒に行きたいと言うので山岳ドライブに行くと伝え明後日9時、ここに集合と決めた。


 その後、政治的な話や子供の話などで盛り上がった。20時には、佐藤も部下に料理を任せ、席に来て話に参加した。すると下村が、羽振りが良くて、冬は、ハワイ、沖縄。夏は、北海道、春か秋には、クルーズ船で横浜から出かけているらしいと言う話になった。


 いくら以前、銀行の支店長になったと言っても、そんなに金を持っているわけないし、奥さんの実家が特に裕福と言うわけでもないと不思議がっていた。すると佐藤が、あいつは、株で稼いで、億を超える資産を持っていると、銀行の仲間が、しゃべっているのを聞いたと告げた。


 そうか、株でもうけたのかと言い、うらやましいねと言う話題になり、賢い人じゃないとできないよと、吉沢に言われた。確かに、そうだ、株投資で、大損した農家は、年人も知ってるが、もうけたと言う話は、とんと聞いたことがないと笑った。


 その後、宮入も株でもうけたのだろと聞かれ、まあねと答えた。億を超えたのと興味深そうに聞くので、ぶっきらぼうに、あーと答えた。すると、みんな、がっくりした。そんな話をしてると、佐藤が、俺なんか腰を痛める程、立ちっぱなしで、いつも熱い調理場で頑張っても1千万円を超えないとつぶやいた。


 この愚痴を聞いて、そろそろ会計してもらおうかと言い、時計を見ると22時を過ぎていた。そして明後日のドライブ楽しみにしてるからと言い3人の仲間たちが去っていった。翌日、9時に駅近くの喫茶店に行くと、吉沢さんがいて一番奥の席に座っていた。


 ここなら人に話を聞かれないで済むわと言った。そこで、開口一番、私、東京の八王子で駅から10分以内のマンションを借りるわと言った。そこで東京の日本橋、赤坂、銀座、六本木、目黒、自由が丘、吉祥寺、二子玉川、横浜、みなとみらい、元町に連れて行ってと言われた。


 それに対し、日本橋、銀座、横浜、みなとみらい、元町は、行ったことがあるから知ってるが、それ以外は知らないと答えた。その答えに対し、そうなのと言い驚いた様子だった。君が東京に住みたいと気持ちは、自由だが、親しく付き合う訳にはいかないと話した。


 彼女が、それはわかってるわ、たまに昼間、付き合ってくれれば、それで良いと言った。情報提供はするが、お互いに自分の生活の中まで入り込むのは良くないと強く言う、困ったような顔になった。宮入君の気持ちもわかるから電話する位にして決して迷惑はかけないと言いながら目に涙を浮かべていた。

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