第11話:旧友達との飲み会企画と小旅行

 下村が、20時半になるから、今日は、帰るが、一度、佐藤の店が近いから、良かったら暇してる旧友を誘って、飲まないかと聞かれた。これに対し、俺は、かまないよと、宮入が言うと、下村が、どっちにしろ、友人たちに声をかけてから連絡するよと言ってくれた。


 申し訳ないねと、宮入が言うと、水くさいこと言うなよと笑い、下村と佐島さんが帰った。21時半に、下村から電話が入り級友の5人が参加するというので、明日14日の夜、19時から、佐藤の居酒屋で、どうかなと電話が入り、宮入が、気を遣ってくれてありがとうと言った。


 もちろん参加しますので、よろしくと答えた。そして、テレビを消して床に入り昔の級友を1人ずつ思い出しながら酒を飲んでいると、懐かしい思い出が走馬燈のように頭に浮かんできた。2013年6月21日、8時に起き、天竜川のほとりを散策した。

 

 9時半過ぎにホテルを出て飯田線で岡谷へ行き中央線に乗り換え上諏訪で降りた。その後、湖岸通りを散策して、タケヤ味噌会館に入り味噌蔵を見学。帰り際、味噌汁といただいた。すると急に腹が減り近くの食堂を聞くと片倉館食堂があると言われた。そこで、来た道をもどり10分で片倉館についた。


 そして中に入ると、昔、製糸業で有名だった片倉館の風情あるの館の2階に食堂を見つけ、階段を上ると昔懐かしいラーメンの臭いがして注文した。それは、紛れもない、子供の頃、食べた、中華そば「ラーメン」そのものだった。味も良く、麺の堅さもほどよく、実に懐かしい味を十分に味わった。


 その後、周りを見学すると無料休憩所と書いてあり、千人風呂に入った人の無料休憩所だった。辰野に帰る前に、入ろうと決めた。次に、諏訪湖の遊覧船乗り場に行き13時半発の遊覧船に乗り諏訪湖の涼しい風と遠くに見える中央アルプス、近くに見える八ヶ岳連峰、諏訪湖半のホテルを見て楽しんだ。


 諏訪湖の遊覧船の周遊クルーズに乗り、降りると14時。そこで、暖まって帰ろう片倉館に戻って建物の入り口に立つと風格ある建物で、玄関の前に「千人風呂」という貼り紙がノスタルジーを感じさせた。風呂で十分に温まり、諏訪から電車で辰野に帰り、飲み会の会場に向かった。


 佐藤の居酒屋に行くと仲間たちが集合していた。乾杯後、話が始まり、宮入が、女性に都会に遊びに行った時の印象はどうだったと聞いた。最初、佐島が、働き出してから職場の女友達と東京へ行った時、印象に残ったのは、竹の子族と麻布十番のマハラジャだったと答えた。


第一印象、竹の子族は変な感じでマハラジャは、バブルでリッチという感じだったと告げた。東京で仕事して住みたいと思わなかったと聞いた。すると人が多すぎて疲れそうだし自然がないのが一番嫌だった。


 人間、いろんな事で悩んだりすることが多い、そういう時に遠くに美しい山が見えたり諏訪湖のほとりへ行ったりして、自然に慰めてもらうの。それが、東京では、できない。


 だから、息が詰まりそうになって、東京で暮らそうという気にはならなかったと答えた。見城さんも野良仕事ばかりで、田舎は、嫌だと感じていたが、友人と東京へ行って狭いホテルに泊まった。


 朝、起きて、駅から人が、あふれ出てくる様子を見て恐怖を感じたと話した。まるで、どぶの蓋を開けた時に出てきたネズミの群れを思い出し、ぞーっとしたと語った。とてもこんな所で暮らそうとは、全く思わなかったと述べた。


 少しして、お客さんが少なくなったので、若いのに厨房を任せ出てきたと言い佐藤君がやって来た。佐藤君は、ビールを飲み、仲間に入ってきた。

「宮入に奥さんを亡くしたんだってなと言い、お悔やみの言葉を言った」


「気を落とすなよと気遣ってくれた」

「見城さんが、宮入に現在の心境を話してもらえると聞いた」

「もう落ち着いたから話せると、宮入が言い、語り始めた」。


「2012年10月、女房が体調が悪いと近くの内科にかかった」

「すると癌の可能性があるから築地の国立がんセンターを紹介され1週間検査入院」

「その結果、膵臓癌が、進んでいて膵臓の取るしかないと言われた」

「その後10月16日の膵臓全摘出手術は、成功」

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