第三話『世界の終着点と邂逅』

 俺が世界を創造してから、早二ヶ月が経過していた。

 俺が創ったこの世界は、先に設定した通り永命設定だが、この永命は寿命が無くなるだけであって死は存在する。


 例えば、俺がしようとした飛び降りや病死、創った世界ならではの戦死などにより死ぬ事がある。


 先にワークリーに聞いた話によると、永命の世界で死ぬと元の世界に戻されるという、更に二度と世界を創造出来なくなるらしい。

 

 自分で創造しておいて言うのもなんだが、この世界は少々不便。

 何が不便かと言うと、お金だ。

 何故ならお金はモンスターを倒すか、倒したモンスターの落し物や武器防具等を売らないと手に入らないからである。

 要するに、よくあるRPGみたいな感じである。


 そして、俺が設定したこの世界の終着点は今居る街からでも見える。

 雲でてっぺんが見えないほど高い塔 ”アトランタルの塔” 。

 この塔の頂上、百階層の攻略がこの世界の終着点である。


「はぁー、なんで俺は、こんな設定にしてしまったんだ……」

 深いため息をついた、そんな時だった。

 「あ、あの〜」

 聞き慣れぬ少女の声が聞こえたので振り返ると、そこには可愛らしい少女が居た。

「突然お声を掛けてすいません…」

 この世界で初めて女の子に話し掛けられたので、少し戸惑いながらも口を開く。

「えっと、君は?」

「あ!すいません!私はウィンダ。ウィンダ・アルニスっていいます。自己紹介が遅れて本当にごめんなさい」

 俺の言葉に、彼女はハッと思い出したかのように慌てて自己紹介をした。

「大丈夫だよ。えっと俺の名前はクリス。姓はレジンスだ」

 互いに不器用な挨拶になってしまったが、こうして俺と彼女は出会った。

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