第一話『世界創造者』

「君は……誰?」

 もう1度訊ねたと同時に、先ほどまで大きかった光が、顔ぐらいの大きさまで収縮し、その姿を表した。


 真ん丸とした胴体や手足、どこかのマスコットみたいな物体。


 少年が唖然としてるその時。

「ボクの名前は”ワークリー” 丁度今、君みたいな人間を探していたんだよ!」

 目をキラキラとさせながらその物体が言う。

「わーくりー?」

 少年が何が起きたのか全く把握が出来ていない中、その物体が話を続ける。

「ボクは君のように自分の世界から去ろうとしてる人間に声を掛けて、新しい人生と共に作ってあげてるんだ」


 少年がどういう事?と聞くと。

「君は自分の人生が嫌になってあんな所から飛び降りた、だけど転生出来る保証はどこにもない、そこで君に一つ提案がある」


 その物体は凄く嬉しそうな声でこう言った。

「ボクと一緒に世界を創る、”世界創造者(ワールドクリエイター)”になってみない?」


 少年は訳もわからないままだが訊ねてみた。

「世界を創るってどういう事?自分で新しい世界創るって事?」

 物体が意外そうな声で答える。

「そうだよ、君……順応早いね」

 少年は少し苛立ちながら言う。

「こっちは死のうとしてた所を邪魔されたんだ……その、さっき言ってたワールド……なんちゃらって何?」

 「”ワールドクリエイター”、その名の通り世界を創る者だね、ボクの世界を生み出す力と君の創造力があれば、何だって創れちゃうよ!」

 少年は半信半疑ではあったが、今の人生から去ろうとしていた事を思い出し”分かった”と答える。

「そういえば、まだ君の名前を聞いていなかったね」

 少年は少し笑いながら言う。

「夜咲 たくみ」

「では、たくみ君……ボクと一緒に新しい世界を創ろう!」

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