第49話【指南書】「月の姿勢・肩こり」


 『つきの姿勢』とは、腕を肩より上にあげる導引のことじゃ。

 月に向かって手を上げるんじゃ。


 元々、人間は四足歩行だったのが二足歩行に変わった。神経の分布図を見ればわかるが、現代人でも神経が四足歩行の並びで入っておる。

 四足歩行なら歩くだけで首の気血の流れは正常になるが、二足歩行になると首と背中の付け根が渋滞してしまう。この流れを良くしてやるのに、腕を上げる『月の姿勢』が有効なんじゃ。


 日常生活では、腕を上げるということは、何かあったのかと周りが思うので、普通は腕を上げない。しかし、腕を上げるということは、首や肩のコリを取るのに良いので、部屋の中などでは腕を上げるといいぞ。


 わしは、ある日、心臓の動きがおかしくなって脈か時々打たなくなったんじゃ。

 ドクン・ドクン・ドクン・ドクンと普通は心臓が脈打つんじゃが、

 ドクン・ドクン・ーーー・ドクンと間が空く期外収縮というものになってな、病院にいったら危険なものではないと言われたが、心臓の動きがおかしのは嫌なものじゃ、寝る時に、妙に心臓の音が気になって、寝ている間に止まってしまうのではないかと心配になるんじゃ。


 試行錯誤して首の迷走神経の不調が原因ではないかと思い、月の姿勢・月弓をするようにしたら心臓の動きは正常になって嬉しかったぞ。


 肩・首が痛くなったときはニの型をよくやるし、パソコンで肩がこると椅子に座ったまま月弓をよくやっていた。

 耳鳴りがひどくなってきた時もやっていたな……


「祖父、仁蔵は、このように言っていました。あずきちゃんは肩こりとかあるの?」


「にゃにゃい」


「なるほど、肩こりはないそうです」


 それでは、三日月流導引『月の姿勢』をやってみましょう。

 解説は三日月冬子です。



【一の型】

・月に向かって弓を引く(月弓げっきゅう)。


①姿勢は、イスに座っていても、立っていてもどちらでもいいです。できれば正座してやると足にも効きます。

②弓を持っている気持ちで手を握り斜め上に向かって手を上げます。もう片方の手は、弓を引くように後ろに引きます。

③首は、斜め上に上げた手を見るよう曲げます。

④左右交互に、ゆっくりとやります。

⑤首の向きを手を上げた方と逆の、手を引く方に向けます。


 首を曲げることで自律神経を整え、福交感神経が働きリラックスできます。


 


【二の型】

・腕を上げる。


①足を肩幅に平行に開いて立ちます。

②右腕を上にあげます。

③右腕を下げて、左腕をあげます。

④右腕、左腕と交互にあげて、首も曲げたりします。


 手を上に上げるだけの技ですが、20分くらいやっていると肩こり・首のこりが楽になります。


【三の型】

・腕を回す。


①両腕を下から頭の上にあげます。(野球でボールを投げる時のように)

②頭の上にある手を横に広げながら、平泳ぎのように下におろします。

 ①→②を繰り返します。

 頭の上に腕がある時に首を軽く回すのもよいです。


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