第190話 強制労働はお仕置きだから

 先週末は大騒ぎだった。

 この週の13日が誕生日である親友の美亜みあちゃん(仮名)が、誕生会を自ら計画、プロデュースをした。でも、誕生会会場は、なぜか、わたし(たち)の家だった。


 だから、買い出し(わたしがやらせた!)、準備(わたしがやらせた!)も、後片づけ(わたしがやらせた!)までもやってもらった。美亜ちゃんは、ぶぅぶぅ言いながらも、いちおうは乗り切った。


 だって、集合をかけたみんなには、メッセージを送ってたのに、わたしには連絡を忘れてるんだよ! なに? この差は? もう、お仕置きだよ!


 お仕置きついでに、わたしたち女子四人からの恒例になっている、危険なプレゼント(今年はスクール水着なのだ!)の試着を命じた。莉緒りおちゃん(仮名)が……。

 お披露目は、わたしたち女子の部屋限定にしたけど……。そして、予め、男子三人にはご遠慮いただいたけど……。それはもう、盛大に残念がってたけど……。



 さて、お話は一週あとの今週末に移る。


 我らが妹・美琴みことちゃん(仮名)は、わたしの授業を受けるために、わたしたちの部屋にやって来ているのはいつものことで……。


 でも、なぜか、一緒に、美亜ちゃんまで来ている。二週続けての台風上陸だ。そんな美亜ちゃんが、四人での夕飯の最中に爆弾発言を投下した。


「わたしだけ羞恥プレイさせられたのはどうかと思うんだ。それに、強制労働夕飯の準備も」

「羞恥プレイって、なにかあったっけ? 強制労働はお仕置きだから」

「ひな(仮名)? すっとぼけるんじゃないっ!」

「とぼけてないよねぇ? 美琴ちゃん?」


 美琴ちゃんは、わたしの右側で、ご飯を食べながらも小さく頷いてくれてる。


「だから、恥ずかしがらずに済むように、男子三人には、最初から遠慮してもらったじゃん。見せた美亜ちゃんより、見せられたわたしたちのほうが恥ずかしかったよ! あのおっぱい! それに羞恥プレイを迫ったのは、わたしじゃなくて莉緒ちゃんだってぇ」

「莉緒のヤツ、えっちく笑いながら、『眼福、眼福』なんて言ってたじゃないか! わたしだけが恥ずかしい目に遭ってるじゃん?」

「気のせいだってぇ……。みんな見惚れちゃってたんだよぉ〜。そのっきなのに」


 その時の莉緒ちゃんたら、超弩級の美亜ちゃんの胸に、確かにわざとらしいほどのえっちぃ視線を向けてたっけ?

 あまりにも大きなそれが悔しかったから、わたしは、直接揉んでやったけど……。あぁ、そっちのほうが酷いか?


「そうか! 莉緒もひなもっちゃいからなっ!」

「おいっ!」


 気を使ってやったら、これだよ。



 これは、わたしと親友みあちゃんと、そのほか、少ない友だちを巻き込んだ、掛け合い語録。


 捻りもオチもないけど、彼女みあちゃんがいなかったら、今のわたしはいなかったと思うし……。


 今週の土曜日の夜も、大騒ぎだった。


「今度は、ひなの(スクール)水着姿も見てやるっ!」



 さて、明日日曜日は『父の日』だ。今年も舞台は用意してもらった(お父さんたちはがんばった!)からね。午後から凱旋しなくちゃ!

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