第184話 興奮しないわけないだろ?

 今年のゴールデンウィークも無事終了してしまった。

 昨日から通学も再開だ。とはいえ、通学時間10分だから、不満を漏らしてはいけないよね?



 ということで、ゴールデンウィーク最終日、振替休日の月曜日は、みんなを送って行くていで、地元を通り過ぎて、温泉(日帰り温泉ではあるけど……)まで足を伸ばしてきた。

 すっごい混んでたけど……。


 でも、ここの温泉、館内着(浴衣)が入浴料に含まれているのだ。それなのに、ほかの日帰り温泉と大差のない料金設定は良心的に思える。

 みんなの、交通費という懐事情にも良心的……なんてことを、わたしが漏らしたら、みんなして自分の定期券を見せてきた。我らが妹・美琴みことちゃん(仮名)も、わたしのところに来るのは交通費を出してもらってるとかで……。あれ? 一番負担が大きいのはわたしたち?

 まぁ、たまにはいいだろう。


 みんなで(当然、男女は別……であるが)温泉につかって、翌日から再開する大学やら高校での生活を乗り切るための英気を養ってきた。

 浴衣姿のちびっ子のわたしを、彼も『かわいい』って言って(ぜろっ! って、男子2人には冷やかされたけど)くれたし、今年も、ゴールデンウィークだった。



 これは、わたしと親友みあちゃんと、そのほか、少ない友だちを巻き込んだ、掛け合い語録。


 捻りもオチもないけど、彼女みあちゃんがいなかったら、今のわたしはいなかったと思うし……。


 途中駅(みんなの地元駅&乗換駅)でみんなと別れて、彼とふたりで、わたしたちの家に戻ってきた。

 帰宅途中で、夕飯(ちょっと早かったけど……)も済ませてきたので、家ではゆっくりとふたりきりですごせた。彼とイチャイチャする(みんなの手前、いちおう自制はしてた)のも久しぶりである。


 そして、この日は、いつものようにふたりして『お先にどうぞ』って譲り合うこともなく、お風呂も一緒に入っちゃった。彼に寄りかかって湯船に浸かるのは気持ちがいい。彼は所在なさげだけど……。『我慢させちゃってる?』って聞いたら、『そんなことない』って。

 なんか、この日は、いつにも増して優しい。


 そんな彼に、この日は特別サービスだ。

 お風呂上がりは、いつもはパジャマなんだけど、この日は、今年のわたしの誕生日に彼から貰った(強奪した)、彼が高校時代着ていた制服のワイシャツ、それだけ……。身長差が40センチもあると、そのフォルムはワンピースと変わらない。


 でも、彼の興奮の度合いは違った……。


「なんだよぉ、裸なら、いつも見てるじゃん?」

「この新鮮なシチュエーション! 興奮しないわけないだろ? でも、その格好もかわいいな」


 興奮するって言ってくれたことも、かわいいって言ってくれたことも、どれもが嬉しかった。

 このまま、暫くリビングで語りあった後、彼の部屋に……。

 でも……、ベッドに潜り込んだ瞬間、脱がされた。全部っ! もぉっ!

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