第179話 結婚できないわよっ!
先週の土曜日はわたしの誕生日だった……。
漸く、『
まずは誕生日前日の金曜日の夕方。今年の誕生日こそ父のもとで迎えるために、久しぶりに帰省をした。
去年は、大学の近くに引っ越しをしたばかりだったのもあり、彼との奇妙な同棲生活が始まったばかりだったのもあり、大学の入学式が直近にあったのもあり……で、一緒にすごせなかったのである。
今年は、彼も、『行ってくればいいよ』、と言ってくれたので、ありがたく、言葉に甘えることにしたのだった。
あ、彼とは、同じ大学に通う、
そんなわたしたちを見て、最近の親友たちは、『もう、お
この日は、こちらも久しぶりに
次の日、土曜日。誕生日当日。残念ながら、お父さんはお仕事だった。朝、出かける前に、誕生日のプレゼントも貰った。『気をつけて戻るんだよ』、と言われて、出勤するその姿を見送った。
夕方には、美琴ちゃんが授業を受けにやって来ることになっている。『こっちに帰ってきてるから、一緒に戻る?』、って、朝のうちにメッセージを送っておく。『!』。なんとも早い返事。
待ち合わせの時間と場所が早々に決められた。
待ち合わせの時間まで、まだ余裕があったから、高校の最寄駅付近をひと回りしてきた。『小江戸』と呼ばれる所以の、『蔵造り』の建物が並んでるのを見て、『菓子屋横丁』を覗いて、裏通りで、たくさんの鯉のぼりを見て、某路線の駅前に戻ってきた。そこで開催されていた『古本市』も覗いて見た。
今回の収穫は、太田忠司さんの文庫が2冊と小野不由美さんのハードカバー。小野不由美さんのは、我が家に辿りついてから、その日のうちに、美琴ちゃんが夢中になって読んでいた。
これは、わたしと
捻りもオチもないけど、
……で、わたしたちが都内の家に戻ったのと同じくらいに、親友たちがゾロゾロとやってきた。なんか、色々と食材の入った袋を手にしている。
「今年のひな(仮名)の誕生日は、わたしたちに任せろ!」
まぁ、本人たち、すごいやる気になってるから、任せたけどね……。『意外とさまになってるんじゃない?』って呟いたら、この同級生で親友の女子3人……。
「ひなちゃんくらいの『料理の腕前』にならないと、結婚できないわよっ!」
それぞれのお母さんたちから、揃ってダメだしを喰らってきたようだ。原因は、最近、良く『太った?』と言われている彼の
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