第172話 連れてってやってもいいけどっ?

つかさくん(仮名)も、一緒に行く? 連れてってやってもいいけどっ?」


 今朝のことである。都内某所の我が家での、朝食時のことである。

 ただし……、発言者は、我らが妹・美琴みことちゃん(仮名)なのだが? なぜか喧嘩腰……である。



 美琴ちゃんの言葉の端々に棘があるのは、土曜日夜の騒動が発端なのである。


 土曜日夕方、わたしの授業を受けるために、我が家にやってきた美琴ちゃん。勉強終わったあとは、いつものように、わたしが夕飯を用意するのを手伝ってくれた。

 この時は、まだ普通だった。


 三人での夕飯が終わって、彼が洗い物をしている間に、美琴ちゃんと入浴を済ませた。

 最近の美琴ちゃん、わたしと一緒に入りたがるのだ。3歳も下の美琴ちゃんに、サイズ的に全敗のわたしは、ちょっと悔しいのだが……。

 そんな美琴ちゃんが、「ひなちゃん(仮名)のお尻、っちゃくてかわいいよね? 羨ましい……」とかなんとか。

 う〜む、ちょっと複雑である。


 お風呂からあがって、わたしが、彼に髪を乾かしてもらってる時だった。

 美琴ちゃんが、彼に、「わたしのお尻がっちゃい(つ、辛い)……云々」の話をした。

 その話題に、彼が答える。


「そうだろ! ホントにっちゃくて(は、恥ずかしい)かわいいんだよ! さわり心地もいいし……」

「なんで、そんなこと知ってんのっ? さわったのっ?」

「なんでって、最近、風呂、一緒に入ってるもん」


 彼は、ここまで言って、漸く失言に気づいたようだ。


「ひなちゃんが、どんどんおとなになっていく……」

「いやいや、もう、おとななんですが……?」



 これは、わたしと親友みあちゃんと、そのほか、少ない友だちを巻き込んだ、掛け合い語録。


 捻りもオチもないけど、彼女みあちゃんがいなかったら、今のわたしはいなかったと思うし……。


 もう、なんか、朝から、美琴ちゃんが不機嫌なのである。


 この日は、近所の恩賜公園内にある美術館に、今日(日曜日)までの企画展を見にいく行く予定だったのだ。

 まぁ、このお話が投稿されてる頃は、通常モードになっていることだろう……と思いたい。

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