第106話 なんかすごく機嫌悪い?

 前話から、すでに10日も更新してない……。


 現在、おつきあいしている、わたしの彼、渡瀬わたらせつかさくん(仮名)のモテ期は、あの後、土曜日まで3日続いた。

 土曜日なんて3人も、彼を訪ねて来やがりました。この週の水曜日段階で、我慢の限界に到達していたわたし。もう、噴火寸前でした。夜までは……?



「どしたの? ひなちゃん(仮名)? なんかすごく機嫌悪い?」

「う〜ん、ちょっとねぇ」

「あ、わかった! やっぱり、渡瀬先輩のことでしょ?」


 家庭教師(わたしのうち編)中、親友の妹、熊谷くまがい美琴みことちゃん(仮名)から言われた言葉だった。この前の日に行われた美琴ちゃんの『特進課程選抜試験』の自己採点をしている時だった。

 突然、そして、いきなり出てきた名前に、慌てるわたし。やっぱりってなんだよ?


「ち、ちち、ちがっ、違うよ!」

みで言われてもぉ。もぉ、ひなちゃん、先輩のこと好きすぎなんじゃない?」


 美琴ちゃんにジトっとした視線で見つめられる。それに負けて、何故かの中学生に愚痴を溢すわたし。そして、さらに、から、彼のモテ期の真相を聞かされることになろうとは……。


「今、中等部わたしたちの間で流行はやってるんだよ。う〜ん、願掛けみたいなヤツ? ほら、渡瀬先輩、共通テストですごかったでしょ? まぁ、ひなちゃんのおかげだけどさ。で、そんな先輩にこくると、先輩を通してひなちゃんのご利益があるんじゃないかって……」


 なんか、美琴ちゃんがとんでもないことを言い出したよ。ご利益云々……はいいとしても、どうして、そこで告白する必要があるんだよ?


「みんなに釘、刺しとこうか? ひなちゃんがヤキモチ妬いちゃうから辞めてあげて……って」


 同情もされちゃったよ。



 これは、わたしと親友みあちゃんと、そのほか、少ない友だちを巻き込んだ、掛け合い語録。


 捻りもオチもないけど、彼女みあちゃんがいなかったら、今のわたしはいなかったと思うし……。


 美琴ちゃんは、『特進課程選抜試験』の上々の成績(自己採点)に、ほくほく顔である。

 どうやら、最初の関門は突破できそうな雰囲気に、わたしも漸く、美琴ちゃん本人とは別のプレッシャーから解放された気がした。

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