第13話 ま、まぁな

 前回の続きは、美亜みあちゃんのとんでもない発言が騒動を巻き起こすんだけど、ここまで読んだだけで、皆さまも疲れちゃったでしょ?

 なので……、今回は、ちょっとだけ高校現在編いまのおはなし



 それは、十月の下旬。

 この日の午前中に、ちょっと変わった授業があった。内容は、中等部の授業の補助……みたいな授業。

 中等部の授業は調理実習。わたしたちは、その授業のお手伝いをするのが授業だった。

 友人の美亜ちゃんには、中学生と変わらないのが混じってる……って、揶揄からかわれたけど。

 ふんだ! どうせ、わたしはちっさいよ!


 で、その授業。実際に調理が始まって、わたしが感じたのは一抹の不安。

 今の中学生って『猫の手』もできないの。恐い恐い。いつ、包丁で『さくっ!』てやっちゃうかもわからない。

 そんなことを、美亜ちゃんとヒソヒソと話していた。


「ひな、ちょっと実演してこいよ! あれ見てるほうが怖いって」

「美亜ちゃんだってできるよね? これくらい」

「ま、まぁな」


 美亜ちゃんの目が泳いでる。更に顔を背けた。あれ? 料理するとかって聞いた記憶があるけど……?



 そんな美亜ちゃんはっといて、小さい子たちが怪我したらかわいそうだからね。実際にやって見せた。まぁ、わたしの得意分野だから、がんばったよ。

 先生にも『上手いわね』って、褒めてもらえた。先生とは、その後、別件があったけど。

 でもさぁ、どうして、美亜ちゃんまで、中学生と一緒になって、手ぇ叩いてんだよ? おぉっ! じゃないでしょうよ。



 これは、わたしと親友みあちゃんと、そのほか、少ない友だちを巻き込んだ、掛け合い語録。


 捻りもオチもないけど、彼女みあちゃんがいなかったら、今のわたしはいなかったと思うし……。


 次回は、中学過去編まえのおはなし。美亜ちゃんの爆弾発言が炸裂した……。

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